航空券/航空会社・エアライントピックス

エア・パシフィック航空の“スマイルDNA”(2ページ目)

南太平洋の楽園フィジーと日本を結ぶエア・パシフィック航空。同エアラインの他社に真似できない個性と魅力を探るため、成田発FJ303便に搭乗しました。そこには、新しい発見と驚きが!

執筆者:秋本 俊二

陽気なクルーたちによる
リゾート気分あふれるサービス


エア・パシフィック航空がフィジーの国内線で定期運航をスタートしたのは1951年。その後、南太平洋を代表するエアラインとしてオーストラリア、ニュージーランドをはじめ、日本、アメリカ、カナダなどへ翼を広げてきました。成田からは現在、ナンディ国際空港へ週3便(月・木・土)を飛ばしています。

日本路線の機材にはボーイング767-300ERを使用し、ビジネスクラスの「タンブーア・クラス」とエコノミークラスの「パシフィック・ボイジャー」の2クラス制で運航。ボーイングが開発を進める次世代中型機787もすでに5機を発注済みで、同エアラインの社長兼CEO、ジョン・キャンベル氏は以前の私とのインタビューで「もちろん日本線にも787を導入するつもり。最善かつ最も近代的な手段で日本の人たちをフィジーにお連れしたいというのが私たちの願いです」と話していました。

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「タンブーア・クラス」(左)と「パシフィック・ボイジャー」(右)

さて、このエア・パシフィック航空の魅力とは何か? 他社に真似できない個性とはどんなところなのか? それは冒頭でも紹介したとおり、陽気なフィジアンクルーたちによるリゾート気分あふれるサービスでしょう。搭乗ゲートをくぐるとカラフルなユニフォームに身をつつんだキャビンクルーに「Bula!」と笑顔で迎えられ、早くも南国ムードに! クルーたちが現在身につけている“ブラ・シャツ”スタイルのユニフォームは、フィジーで活躍中のドミニク・サンソム氏によるデザインで2005年3月にリニューアルされたものです。

行きと帰りのフライトも
旅行者にとっては貴重な旅の時間


この日のフライトに乗務していたフィジアンクルーは、計7名。機は間もなくランプ(駐機場)を離れるようですが、すでにキャビンのあちこちで乗客とクルーとの会話が弾んでいます。この光景は、なるほど、日本支社マーケティングマネージャーの千葉孝雄さんが話していたとおり。出発前の成田空港ロビーで会った千葉さんは次のように言っていました。

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日本支社マーケティングマネージャーの千葉孝雄さん(左)。(右)は成田線で運航しているボーイング767-300ER

「成田からフィジーに向かうお客さまの半分以上は日本人で、なかには英語が話せないという人も少なくありません。そのためにフライトではフィジアンクルーとは別に日本人通訳1名が乗務していますが、クルーはクルーでいつも勝手にお客さまとのおしゃべりを始めてしまうようですね。英語が通じないお客さまとは身振り手振りで、です。相手の思っていることを表情や仕草から読み取ってしまう天性の気質が、フィジーの人たちにはあるのでしょうか。みんな、とにかく人なつっこいんですよ」

飛行機に乗った瞬間からフィジーの人たちとの交流が始まる。これは旅行者にとって、非常に大きなメリットでしょう。わずか1週間程度の旅行で、行きと帰りのフライトを単なる移動の手段にしてしまってはもったいない。“フィジーの旅”を行きの機内から楽しむ──それができるのがエア・パシフィック航空の魅力なのです。


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