Web作品展を終えて──“描く”ことと“飛ぶ”こと
整備士として働きながら夜間大学に通って猛勉強を続け、念願の「空の仕事」を手に入れた |
「フライトで海外へ行くと、ステイ先で時間がありますでしょう。その時間を使ってスケッチを始めるようになりました」
本格的に絵を描くようになったきっかけを、上田さんはそう話します。その後、1996年には優れた風景画に与えられる笹倉鉄平賞を受賞し、この頃から海外での活動も視野に入れ「リチャード・カイ」というアーティストネームを使用。2005年夏には新宿・伊勢丹で念願の個展を開きました。
同じ高さから見た同じ風景でも、毎回空の色などは違います。「ですから、創作活動はエンドレス。いい作品を描くためにも、もっともっと世界の空を飛び、感動的な風景に出会いたい」と上田さんが言うのですが──。
「絵を描くことと同時に、まず私の原点である“空を飛ぶ”という夢も完遂したい」と話す上田さん |
「今後、ですか? さあ、先のことはまだわかりません。海外の航空会社でフライトエンジニアとしての仕事があれば、そこに移るかも知れませんね。昨今は2名乗務が主流になっていますが、私自身はいまでもフライトエンジニアは必要だと思っています。絵を描くことの前に、まず私の原点である“空を飛ぶ”という夢を完遂したいんですよ」
◇お知らせ◇
8月24日から9月12日までの約3週間、成田空港第1ターミナル本館5階「NAAアートギャラリー」で上田さんの「コクピット・アート展」が開催されます。計20点近い作品が展示される予定ですので、成田空港へお出かけの際は、ぜひ立ち寄ってみてください。入場無料です。
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