そんなことが希に起こることは、以前の〈ガイド記事〉でも報告しました。原因は、そう、携帯電話。機内では必ず携帯電話の電源を切るよう呼びかけても、ときどき指示に従ってもらえない乗客がいるらしい。たかが携帯電話ぐらい、と思うのでしょうが、コクピット内の計器類や自動操縦システムは、ほとんど電波だけを頼りに動いています。携帯電話も立派な電波発信機で、そこから発信される電波は飛行機が受信すべき電波に影響を与えてしまう。現に、乗客に携帯の電源を切ってもらったとたん、狂っていた計器の針がピタリと正常に戻るということがあるそうです。いくら注意しても携帯電話の使用をやめない日本人乗客が空港警察に逮捕される──外国ではそんな事件も現実に起きています。日本ではさすがにそこまでは、と思うでしょうが、これからはそうはいきません。昨年(2003年)7月の参院本会議で、フライト中の機内での「迷惑行為」防止をめざした航空法の改正案が全会一致で可決・成立。2004年1月15日から施行されました。機長の命令に従わない迷惑行為者などに、今後は50万円以下の罰金が科されることになります。






