航空券/航空券関連情報

空の“珍事件”──番外編

ボーイング727型機がアンゴラの国際空港から突然、無許可で離陸。そのままアフリカの空で消息を絶ちました。米国政府はテロリストの手に渡った可能性もあると、現在も必死で捜索を続けています。

執筆者:秋本 俊二

米ワシントン・ポスト紙の報道によると、旅客機の盗難という前代未聞の事件が起きたのは5月25日の夜。アンゴラの首都、ルアンダの国際空港に1年以上にわたって駐機していたボーイング727型機のエンジンを何者かが突然始動し、機は滑走路へ向かって動き始めました。管制塔が同機に対して無線で制止したものの、何の応答もせず、そのまま離陸して飛び去ったといいます。

いまでは国内ではほとんど見られませんが、短・中距離向けのジェット旅客機ボーイング727は、3基の強力なエンジンを装備したT字尾翼の独特なフォルムで知られています(=写真参照。なお、消息を絶った機種と写真は何ら関係はありません)。ボーイング727は1963年に初飛行し、84年までにシリーズで計1,832機が生産されました。初期の100型から進化したトレッチ型の200型機は、1967年7月に初飛行。人気・需要ともに高く、国内でも長年活躍しましたが、90年の全日空機のラストフライトで日本の空からは引退しました。

さて、消えたボーイング727ですが、同機はアメリカン航空で数十年間運航され、2年前に航空機を販売・リースする米フロリダ州マイアミの民間会社が買い取りました。今年5月には他の航空機販売会社に売却する予定でしたが、必要書類の不備などで去年3月からルアンダの国際空港にとどまり続けていたそうです。
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