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しかしこれからは、そんな気づかいも不要になるかも知れません。重い荷物を持たずに海外へ──そんな“手ぶら旅行”の実現に向けた実験がスタートするからです。
新東京国際空港公団(NAA)は2003年4月、航空会社や宅配会社などとともに「次世代空港システム技術研究組合」を設立すると発表しました。これは“手ぶら旅行”の実現とセキュリティ向上、効率的な空と陸の運輸連携システムの開発を目的とするもの。研究にはANA、JAL、富士通、松下電器、NTTデータなど約40社が参加する計画です。
めざす“手ぶら旅行”は、非接触型ICチップを埋め込んだ荷札(「e-タグ」)を使い、自宅で宅配会社に預けた荷物を海外の空港で受け取れるようにするもの。利用者はインターネットで航空券を予約・購入する際に、ICチップ内蔵の携帯端末に本人を確認・認証するための情報を書き込み、自宅で宅配業者に荷物を預けます。荷物には旅行者の情報が書き込まれた「e-タグ」が取り付けられ、目的地の空港へ。荷物を預けた旅行者は身一つで空港へ向かい、チェックインすればOKです。