航空券/航空券関連情報

空港よもやま話

ハブ&スポークって何? 空港が海の上をめざすワケは? パイロットの嫌いな空港はどこ? 基礎知識から取材でのこぼれ話まで、知っているようで知らない空港の話題をより集めてみました。

執筆者:秋本 俊二

◆ハブ&スポーク

1994年に関西国際空港(関空)がオープンした頃から、「ハブ空港」という言葉がニュースで飛び交うようになりました。この「ハブ」とは何か?

自転車の車輪を思い浮かべてみてください。「ハブ」とは車輪の中心軸がとおる太くて丸い部分のこと。そこから何本もの「スポーク」が伸びて車輪を支えている。つまりハブ&スポークとは、空路の拠点となる空港(ハブ)を建設し、そこから周辺都市へ放射状にルート(スポーク)が伸びるよう航空網を整備しようという構想で、もともとアメリカで空港建設の目標として始まりました。関空はまさに日本のハブ空港をめざしたわけですが、アジアではその後98年に香港国際空港が、さらに2001年3月には韓国の仁川国際空港が開港。滑走路が1本しかない関空に対して、香港国際空港も仁川国際空港も2本の滑走路をもち、また日本に比べてアジアの新空港は空港使用料(着陸料)が割安なため、経由地を関空から香港や仁川へ移す検討を始めたエアラインも出てきているのが現状です。

日本の空港が今後、熾烈な国際競争にどう立ち向かっていくのか。今後の動向から目が離せません。


◆空港は海をめざす

関空が海の上に建設された“海上空港”であることはよく知られていますが、愛知県知多半島沖の海上で現在、新たに建設が進められているのが中部国際空港(中空)です。では、海の上に空港をつくると、どんなメリットがあるのか?

一つには、騒音問題の解消があります。海の上であれば24時間、飛行機が離着陸しても大丈夫。住宅地から飛行機の騒音を遠ざけることができる。外国から乗り入れる航空便が増え、日本からの海外旅行もより便利になるでしょう。貨物便も旅客機の発着の少ない夜中に飛んでくることが可能になり、経済的な効果も大きい。とくに日本では、大都市の近くに新しく空港をつくろうとしても、必要な土地の確保が難しい。そのため鉄鋼メーカーなどを中心に、人工島を造り、そこに空港を建設する技術の開発に早くから積極的に取り組んできました。この技術に関しては、諸外国に比べて日本はかなり進んでいるようです。
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