航空券/航空券関連情報

ジャンボ機を操縦する~vol.1

タキシングから離陸前チェック、離陸、上昇、巡航飛行、降下、着陸に至るジャンボ機の操縦を、コクピットから数回に分けてガイドします。第1回は、出発準備からタキシングまで。

執筆者:秋本 俊二

■出発準備
機長が左側のシートに、右側には副操縦士が着席して、出発を待つコクピット。搭乗前に機体の外部点検を終え、キャビンクルーには直前ブリーフィングでこの日のフライト状況を伝達しました。

「エンジン・スタート5分前です」

グランド(地上)の航空整備士からコクピットに、インターホンを通じて連絡が入ります。

客室の全ドアが「閉」になったことを、オーバーヘッドパネルの計器で確認。ほどなくコクピットに入ってきたキャビンクルーの一人から「キャビンOK」との報告を受け、出発準備が整いました。

■プッシュバック
飛行機が地上走行する際も、ギアを入れて車輪を回転させると思っている人がいます。しかし実は、車輪はただ空転しているだけ。飛行機が地上を走るときも動力として利用するのは、ジェットエンジンの推進力です。ジェットエンジンを少しだけパワーアップすると機体は動き始め、あとはほとんど最少出力だけで進んでいきます。

もっとも、飛行機は自動車のように自力ではバックできません。最近は乗客が搭乗しやすいように、機体はターミナル方向を向いて止まっています。そこで、トーイングカー(牽引車)のプッシュバックに頼ることになります。空港には、200トン、300トンの飛行機を楽々と押したり引いたりするトーイングカーが待機。牽引用の棒が機体の前輪に装着されると、機長はインターホンで地上にプッシュバックを要求してパーキングブレーキを解除します。地上走行で義務づけられているアンチコリジョンライト(衝突防止灯)を副操縦士がオンにし、機体はトーイングカーに押されゆっくりと動きだしました。
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