Q、ジャンボ機が離陸するときの速度は?
A、飛行機の離陸時の速度を語る際には、V1(離陸決心速度)とVR(機種引き起こし速度)そしてV2(安全上昇速度)の3つが用いられます。そのうちV2(安全上昇速度)というのが、飛行機が離陸して機体が地上から35フィート地点に達したときに出していると予想される速度。このV2速度は機体重量(燃料の量や乗客数を含む)や滑走路上の風速などで数値が変わり、毎回の飛行ごとに計算されます。一般にジャンボ機クラスのV2速度は時速300キロ前後で、ここから高度3,000フィート(約1,000メートル)地点を通過するまでは、通常V2速度プラス10ノット程度の速度を維持していきます。ちなみにコンコルドの離陸速度は時速350キロ前後で、ジャンボ機に比べ時速50キロほど速い速度で飛び立ちます。
Q、上空を見ていると、雲を引いて飛ぶ飛行機と、何も出さずに飛ぶ飛行機があります。この違いはどうしてですか?
A、その違いは、主に大気の状態で起こります。飛行機雲は、上空に絹雲が発生しているようなときによくできます。絹雲は“氷の雲”で、氷点下十数度の大気中に浮かび、気層はすでに飽和しています。その中をジェット機が進むと、エンジンの排気中の水分が直ちに昇華し、濃密な飛行機雲になるわけです。飛行機雲は間もなく消えてしまうことが多いようですが、長いときには1時間以上もつづいて見えることもあります。
Q、離陸と着陸では、どっちが危険ですか?
A、どちらとは一概に言えません。事故の発生率は離陸滑走開始後の3分間と着陸前の8分間が最も高いとされ、航空の世界でこれは“魔の11分間”と言われています。パイロットに話を聞くと、「着陸よりも、離陸するときの緊張感のほうが高い」と言う人が多い。理由は、着陸時にはスピードをどんどん落としてきているのに対し、離陸時は反対にスピードを増している。しかも燃料が満タンで重い。条件としては離陸のほうが厳しいわけで、実際に事故が起きた場合も、着陸時の事故では必ず生き残る人が何人か出るようです。