ボーイングが新たに投入するのは777-300ER(就航2003年)と777-200LR(同2005年)の2機種。現存する機種で航続距離が最も長いのはジャンボ機(747-400)の約1万3,500キロです。改良エンジンを搭載した777-300ERはこれとほぼ同等まで航続距離を延ばし、さらに777-200LRでは1万6,316キロとジャンボ機を大きく上回ります。
去年9月の米国同時多発テロ以来、世界のエアライン各社は軒並み操業減を強いられてきました。その結果、2000年は好調だったボーイングの旅客機受注数が、昨年は一気に45%減と低迷。受注機数で欧州大手のエアバスに首位を譲りました。その巻き返しを図る一手が、主力であるトリプルセブン(777)の長距離型改良モデルの投入です。
飛行時間でみると、777-200LRは最長約18時間までノンストップで飛ぶことが可能です。その長旅をより快適なものにするため、同社は777型機の天井の空間を利用して機内に寝室を設けることなどの検討も始めました。
一方のエアバスも、航続距離1万6,000キロクラスのA340-500を東南アジアを中心とするエアラインに納入していく計画を発表。長距離型モデルでもボーイングと対抗していく姿勢を鮮明にしています。
では、こうした長距離フライトの実現は今後、日本の航空界にどんな影響を及ぼすのでしょうか?