世界最初のフライトは1903年、ライト兄弟によって実現されたことは有名です。では、日本で最初に飛んだ飛行機については、ご存知ですか?
日本での初フライトは、それから7年後の1910(明治43)年10月。当時の陸軍大尉・徳川好敏(1884~1963)らがフランスのアンリ・フォルマン機を操縦して成し遂げました。
翌1911年には、埼玉県所沢に日本最初の飛行場が完成。徳川好敏はその後も所沢飛行場で飛行機の製作や操縦訓練などにあたり、日本の航空史を担ってきたのです。
今回、所沢の航空発祥記念館で開かれるのは、徳川好敏と愛機の数々を貴重な資料でたどる企画展。国内で唯一現存するといわれる昭和初期の戦闘機の胴体部分や、日本の航空史に名を残す“名機”の実測図面などが初めて公開されます。
なかでも一番の見モノは、1934年に国に採用され、当時の中島飛行機でわずか22機だけ生産された「九一式二型戦闘機」の胴体部分です。胴体は金属製で長さ約5.7メートル。記念館が開館した1993年ごろ、東北地方の農家で発見され、寄贈されました。東京の交通博物館所蔵のプロペラといっしょに展示されます。