航空券/航空券関連情報

“揺れない飛行機”ってホント?

上空の機長同士がリアルタイムでの情報交換を行うことで、“空の悪路”を避ける──そんな実験が大手エアライン3社を中心にスタートしました。近い将来、揺れない飛行機が実現する?

執筆者:秋本 俊二

飛行機の運航にとって「乱気流」は大敵です。上空には目に見えない“立ち入り禁止区域”がいくつも存在することは、以前アップした〈Close Up ! 〉記事──「晴れた富士には近づくな!」でも報告しました。

乱気流は晴れわたった空でも突然生じることが多く、予測がきわめて難しい。今年5月には、関西空港を発った全日空機がグアムの北西約240キロの太平洋上空で乱気流に遭遇、激しい揺れにより19人のケガ人を出しました。

フライト中に異常な気象に出会ったとき、機長は管制機関に通報することが国際民間航空条約で義務づけられています。しかし、「強い揺れ」として報告される乱気流は全体の2割程度。ふだん上空で遭遇するのは、大半が報告義務のない「弱い乱気流」です。

「報告義務のない小さな揺れや、まったく揺れの起こらない静空域を把握できれば、航路を決める上でより安全・快適なルートと高度を選択できる」

パイロットの間では、以前からそんな意見が交わされてきました。そこで昨年から、エアライン各社と気象庁、国土交通省を交えての協議がスタート。上空の機長同士がリアルタイムで情報交換を行う実験が今年6月に始まりました。
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