「0.04人」「0.07件」という数値を、杉浦氏は同書の中で、具体的な例に置き換えて解説しています。

それによると、輸送実績1億人キロあたりの死亡乗客数「0.04人」とは東京─ニューヨーク間約1万キロを12万5,000回往復して死亡事故に遭う確率、また10万飛行時間あたりの死亡事故件数「0.07件」とは飛行時間10時間のホノルル─福岡の飛行を14万3,000回往復して事故に遭う確率で、杉浦氏はこう述べています。

「仮に週に1度往復したとしても、(前者では)2,404年、(後者では)2,750年かかることになるので、人間の人生に比べれば小さい確立といえるだろう」

この「1週間に1往復」を「毎日」に置き換えて計算してみると、先に紹介した「438年に1回」という数字とそれほど誤差はなくなります。

杉浦氏はもう一つ、さらに面白い数字を披露しています。

909人対1万805人

これは二つとも、ある輸送機関による事故の年間死亡者数(1998年)です。「909人」は全世界での航空事故による死亡者数であり、一方の「1万805人」は、日本国内だけの自動車事故による死亡者数(事故後1カ月以内の死亡)です。

ちなみに主要国の自動車事故死は、米国4万1,967人、ドイツ8,547人、フランス7,989人(いずれも1997年)。杉浦氏は、これらの数字をもとにしたI・グラード氏(IATA=国際航空運送協会=広報部長)の以下の発言にも触れています。

「米国1国の車による1年間だけの死者の数でも、ライト兄弟が初飛行に成功して以来の航空機事故の死者よりも多い」

なるほど。こうした統計があるにもかかわらず、自動車は危ないから乗らないと主張する人はいない──みなさんは、不思議に思いませんか?

(※1ページ目に使用しているイメージ写真は、事故の記事とは何ら関係ありません)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。