株主訴訟、人材流失に頭を抱えるYahoo!
まだまだ予断を許さない米Yahoo! VS 米マイクロソフト |
IT業界において、今年上半期最大のニュースは、米マイクロソフト(以下、マイクロソフト)による米Yahoo!(以下、Yahoo!)の買収騒動でしょう。今年2月にマイクロソフト側からの発表により幕を開けたこの騒動は、Yahoo!とGoogleの提携によって、一旦は幕を閉じたと思われましたが、現在でもさまざまな噂が流れています。
Yahoo!はGoogleとの検索広告での提携で、年8億ドルの増収が見込めるとしていますが、以前からマイクロソフトへの売却を求め、Yahoo!の経営陣の入れ替えを求めているアメリカの著名投資家、カール・アイカーン氏を中心にした株主の反発は収まっていません。
そして、「Yahoo!、Googleと提携。MSとの交渉は決裂」でも触れましたが、Yahoo!の幹部の流失が続いていて、6月の2週には上級副社長、最高データ責任者などの退社が発表されています。
こうした中、マイクロソフトはYahoo!の検索分野での提携について、再び交渉に入っているとのニュースが流れています。しかし同時にYahoo!が株主に対し、Googleと提携を結んだことへの支持と、アイカーン氏が推す取締役候補への反対票を促す書簡を送っています。
さまざまな憶測と思惑の中、8月1日に予定されているYahoo!の株主総会まで、まだ混乱は続きそうです。
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日本のネットサービスの奮起を期待
こうして、今年上半期の主だったニュースを見て気になるのは、全てが海外発のニュースだということです。日本のネットサービスで話題になったニュースといえば、「ライブドアの決断とポータルのこれから」で紹介したように、Yahoo!を皮切りに各ポータルサイトのデザインが変更されたというニュースぐらいだったのではないでしょうか?もちろん、海外から参入したサービスに日本語への対応という障壁があるように、日本から海外へと行く場合もやはり英語という障壁があり、簡単に世界進出というのは難しいでしょう。
しかし、iPhoneのApp storeやFacebook上で利用できるアプリケーションなど、今は個人でもいいサービスを作ればアッというまに世界中のユーザーへ広がっていく土壌ができあがっています。
今年後半は企業、個人問わず、世界中で人気となる日本発のサービスが出てくることを期待したいと思います。