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テレビとネットの融合は既に活性化している(2ページ目)

楽天とTBSの提携交渉が難航しているようです。楽天が謳うテレビとネットの融合は本当に必要なのでしょうか?私は既にテレビとネットの融合は一般ユーザーの主導によって活性化していると考えています。

水上 浩一

執筆者:水上 浩一

インターネットサービスガイド

CMとネットショップの連動は必要ない?

では次にCMとネットショッピングについてはどうでしょう?テレビのCMとネットショップが連動し、CMで気に入った商品があれば、すぐにネットのショッピングサイトでその商品が買えるというサービスは本当に便利なのでしょうか?インターネットコム株式会社とJR 東海エクスプレスリサーチが行った「テレビとインターネットに関する意識調査」によると、テレビを見ながらインターネットをするというユーザーは52.7%となっています。

この結果からも、CMとネットショップを連動させるのはユーザーにとって有益なのでは?と思われるかもしれませんが、ネットで商品を購入する人の多くは、まず、ブログやSNS、価格比較サイトなどで、気に入った商品の情報を集め、その上で購入を検討するのではないでしょうか?だとすれば、CMを見て直接、その商品を販売しているサイトに行くというのは、それほど便利とは言えません。逆にテレビを見ながらインターネットをする人というのは、CMはあまり見ていないのではないでしょうか?

またドラマの中で主人公が着ている服や身に付けている時計などを購入できるというのも、上述したのと同様に、そのブランド名、商品名がすぐわかるというのは便利ですが、それがそのまますぐに購入に繋がるかといえば疑問が残ります。

多くのユーザーは、検索、SNS、掲示板、価格比較サイトなど様々なサイトを利用し、商品の情報を入手し、それをまた即座にプログ、SNSなどに反映し共有しています。つまりこれもテレビ配信のネット配信と同様に、一般ユーザーの間では既にテレビのCMを基にした情報検索、共有という形で行われています。

ユーザーはCMを見て気に入ってもすぐに購入とはなりません
ユーザーはCMを見て気に入ってもすぐに購入とはなりません

テレビとネットの融合は既に活性化している

楽天やライブドアが主張していたテレビとネットの融合というのは、つまりはネットのテレビ化であり、単にテレビで見ていた番組をPCで見たり、テレビショッピングで電話で購入するのがネットになっただけのものです。勿論、楽天、ライブドアにしてもそれ以外にもテレビ局と提携したい理由はある、またはあったのでしょう。

しかし、テレビとネットの融合というのは、送り手側が一方的に情報を送信するのではなく、数々の問題を抱えながらも人気を得ているYouTubeが示した様に、ユーザーが中心となり、情報の発信、共有を主導していかない限りは成功しないのではないでしょうか?つまり、ある一つのテレビ局とネット企業が提携し、いくらテレビとネットの融合を謳い、囲い込みを狙っても、それはユーザーの利便性を向上させることにはなりません。そしてテレビとネットの融合の一つの形はユーザー主導で始まり、既に活性化しているのです。
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