インタビューを終えて。長時間ありがとうございました。 |
楽天大学のあとの懇親会を合宿形式でやったら? 究極のモチベーションアップ講座「虎の穴」は、店舗さんの意見を聞く場でもある。
水上:店長さん同士の交流といえば、楽天大学には「虎の穴」という2泊3日の合宿が ありますね。私も実際に参加してその年に月商1000万円を達成したので、その有効性は 実感できているのですが。仲山:水上さんは、たしか8期でしたよね。いまは19期までいっています。
水上:そうなんですか。この虎の穴、という合宿も楽天大学の特色だと思うのですが、 どのようにして始まったのですか?
仲山:その中で、楽天大学の受講後に行われる懇親会はものすごく為になる、という 話をよく聴いていました。とにかく話が濃い、と。そこからいくつもの アイディアが生まれたり、店舗同士の共同企画も生まれたりしました。 それはたしかにそうだろうな、とは思っていました。
でも、やっぱりお酒の席ですのでそこには限界があるのではないか、と。 そんな中、店舗さんの中から「懇親会のようなディスカッションをセミナーとして 開催できないか?」というオファーをいただいたのです。
通常は日常業務に追われたり、電話がなったり、メールチェック等気になり、 長い時間店舗運営について考えたり、話したりする機会がない。 でも、合宿で外界と遮断された環境で帰り時間を気にすることなく、店舗運営について 仲間と語れたらどんなに良いアイディアがうまれるだろう、と。 大学としても、新しい企画が欲しかった時期なので、合宿形式のセミナーを 企画した、というのがはじまりです。
水上:つまり、ネット環境を遮断した状態で帰り時間を気にしないでシラフで 店長さん同士が昼夜ディスカッションする合宿形式のセミナー、ということですね。 まあ、体験から言わせていただくと夕食後はお酒も入りますが・・・。
でも、本当に濃ゆい話になります。たぶん2泊で睡眠時間3時間ぐらいだったと思います。
仲山:みなさん、朝まで話していますよね。 もちろん、考える枠組みとして、
集客
参客
接客
増客
というキーワードはあるのですが、それについてグループディスカッションを展開して グループ毎に発表、というのをずっと繰り返します。
ここでのポイントは、2つ。
店長さん同士の2泊にわたるディスカッションによってもたらされるアイディアと 具体的には売上10倍、というイメージを実際の数字でシミュレーションすることによって 明確にすること。
そして、もう一つは、時間をかけて参加している、ということです。 みなさん商売人なので、「もとをとってやろう」と思うので、ダラダラとした ディスカッションにならない。本当に必死に討論します、よね?(笑)
水上:はい(笑)私は、7期に参加した店長さんから「自分は2日で4時間しか寝なかった」 と聞いていたので、負けずに3時間しか寝なかった(笑)
そういうライバル心はわいてきますね。と、同時にものすごい仲間意識が芽生えます。
仲山:そう。それも重要です。
自分たちは一人じゃない、と思えただけでもこの合宿に参加する意義がある、といっても 過言ではありません。
水上:実際に虎の穴に参加した店舗さんは、軒並み受講前の売上の10倍を突破されていますし、 中には億単位を売り上げている店舗さんもいらっしゃる。 そこまでいかなくても、ほとんどが売上記録を更新しています。
本当に驚くべき成果だと思うのですが、やはりこの合宿には綿密に企画されたものなのでしょうね。
仲山:もちろん、ノウハウも蓄積されてきていますので、店舗さんの数字をベースにしながら 売上シミュレーションを行ったりというワークは確立されていますし、 しっかりと考えて開催していますが、やっぱり最初はどうなるかとドキドキでした。 でも、いままでの経験から、成功する確信はありましたけどね。
あと、開催してから気が付いたのですが、やはり寝食を共にしながらのディスカッションになる ので、店舗さんの本音を聞くことができます。
これは、楽天としても、モールの運営にとっても大きなプラスでした。
水上:なるほど。楽天市場のサービススタート当初のような、出店店舗側と楽天側の 密な会話、という部分が「虎の穴」で再現されているわけですね。 結局のところ、楽天市場の成功というのは、出店店舗と楽天の連携、というところに つきるのだということを感じました。
本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。
楽天スタッフ自らも出店したくなるほど魅力的な「楽天市場」が強さの秘密だった!
「たとえば、私が楽天のスタッフという立場ではなく、なにか(事業を始める等)を やろうとした場合、間違いなく楽天市場に出店するだろうな、と思います」 インタビューの最後に仲山さんははっきりとした口調でおっしゃいました。 この言葉が全てを物語っている、と思いました。楽天で働いているスタッフ自身が「自分がなにかやるとしたら楽天で」と 思えるサービスとシステムを提供している強さ。 ユーザーとテナント、そして楽天のトライアングルの拡大がインターネットモールの 成功の鍵となっています。
楽天市場がユーザーのアクセスアップとテナント数の増大とともに、 いやそれ以上に重要視したのが、テナントのレベルアップ、そしてテナントとの 密なコミュニケーションだったのです。 流通総額1兆円を目標として掲げている楽天。数字とは対照的にその成功ノウハウは 意外なほどにシンプルで、「人と人との交流」 を大切にしている堅実な理念がその根底にはありました。