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楽天大学のモデルはMBAの手法であるフレームワーク 楽天大学学長にインタビュー

ユーザー・テナント数の獲得+「テナント力の強化」がインターネットモール成功のポイント!徹底したテナントとのディスカッションで得たノウハウと要望により進化する楽天市場

水上 浩一

執筆者:水上 浩一

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今回、お話しを聞かせて頂いた楽天大学学長 仲山さんです。
今回、お話しを聞かせて頂いた楽天大学学長 仲山さんです。
プロ野球球団「楽天ゴールデンイーグルス」、Jリーグ「ヴィッセル神戸」のオーナーである 三木谷 浩史社長率いる楽天(株)。その楽天(株)の中核となるのが モールの出店契約数11,900を越え、商品点数も1100万品超と、 名実共に日本一のインターネットショッピングモールとなっている「楽天市場」です。

証券会社や旅行サイト等の大胆なM&Aが大きな話題となっていますが、 急成長の原動力となったのはやはり「楽天市場」におけるインターネットショッピングモールの 成功だと思います。

1997年にサービスを開始した楽天市場ですが、その前後でインターネットモールが 乱立。その中で楽天市場だけがなぜ成功したのでしょうか?
他の多くのインターネットモールは、
1)テナント(出店者)の確保
2)モールにアクセスするユーザー数の増大
に注力しました。
アクセス数の増加は、モール自体の実力にもなりますし、広告効果にも直結します。 またテナント数の増加は、そのモール自体の収益にダイレクトに影響してきますし、 品揃えもユーザーには魅力となります。
つまり相互が補完しあっている状態で、当然通常はテナント数とアクセスユーザー数の拡大に 尽力します。 しかし、楽天市場は、そこにもう一つキーワードを設定しました。 それは「テナント力の強化」です。

他の多くのインターネットモールが「ユーザーの集まる場の提供」だけであったのに対して、 楽天市場は成功店舗の事例を体系化しそのノウハウをシェアすることによって、 出店者にレベルアップしてもらうことでモールを活性化して流通総額を上げていく。 これが他のモールと楽天市場との戦略の違いでした。
今回は、そのテナント教育の中心的役割を担う「楽天大学」の仲山学長さんに 開校のきっかけ、楽天大学の意義、効果についてお伺いしました。

モデルはMBAの手法である「フレームワーク」

水上:楽天大学、開校のきっかけは?

仲山:楽天市場は、1997年にオープンしました。 そのときはわずか10数店舗に過ぎなかったのですが、 そこで売れるお店からそのノウハウを 吸収して、また店舗さんと膝を交えながら話をすることによって、 店舗運営のコツをつかんでいったそうです。 その後、店舗さんも増え続けていき、3年がたち、成功事例、失敗事例も多く集まってきました。 そして 2000年の1月に、そのコツをフレームワーク化した「楽天大学」を開校しました。 これは、 社長の三木谷がMBA出身だというところが大きいのです。

水上:なるほど。私もいくつかの講座を受講しましたが、いままでのいわゆる日本的な セミナーとは違う雰囲気を感じました。たとえば、グループディスカッションを 多用したり、実際に受講者に考えさせる、アクションをプランニングさせるという点です。

仲山:そうですね。私も楽天大学に関わる前はECC(ECコンサルタント)をやっていましたが、 ちょうど店舗さんがどんどん増えている状態で、店舗さんと運営について いろいろと話をするのですが、とにかく同じ話を何度もすることになるわけです。
メールマガジンを配信するとどうしてよいのか、とか、プレゼント企画で集客すると どんなメリットがあるのか等、自分がテープレコーダーになったかのように 同じことを繰り返すことに疑問を感じていたところだったので ノウハウのフレームワーク化というものに対して有効性を感じました。

<次のページでは楽天大学の真の目的にせまります。
学びの場である楽天大学には、もう一つ重要な意義があった!>
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