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▼プアール茶同梱チラシが転機に 通販成功への軌跡(上)(2ページ目)

カタログ通販で年商43億円、緑茶からプアール茶へ通販商材を変えたことでいっきに成長。低迷から脱却したティーライフの軌跡に成功要因をみる。

執筆者:藤田 幸江


 ◆ 費用対効果面から「お試し」は減らす方針へ


慎重な購入者にとってはありがたいお試しセットではあるが、「同梱において、お試しチラシからと本商品チラシからの購入率が変わらなくなってきた」と植田氏は最近の傾向を説明する。

ティーライフでは、多数の大手通販企業カタログにチラシ同梱しているので、ご覧になったことがある人もいるだろう。

最近は反応率が、開始当初よりは落ち着いてきているようだ。「お試しも本商品も同梱チラシからは、両方とも0.1%の成約率、1000枚出して1件の購入になる」。だとすれば、赤字を生み出すお試し販売はできるだけ減らしたほうが、利益拡大のためにはよい。

昔は通販というと、うさんくさいイメージがあり、安いもので試してみてからと考える顧客が多かった。最近は「気に入らなければ返品すればよい」と、最初から本商品を購入する人々が増えているからだ。

ティーライフでも、数年前はお試し中心に顧客獲得していたが、費用対効果の面から同社の方針は、最初から本商品の販売へと軸足を移している。

同社がプアール茶のお試しを開始してわずか6年であるが、通販をめぐる環境は常に変化し続けていることがわかる。

最初から本商品を購入した顧客にも、500円割引優待期限4週間がつくが、顧客からの「期間中にすべてを飲みきれない」という声があった。現在、購入価格によっては優待期間を伸ばすことも検討中。

現在、同梱チラシ配布は、1年間で8,000万枚。先の植田氏のいう成約率(0.1%)からすれば下記のような顧客獲得数算出のための式が導き出される。


●同梱チラシからの1年間新規顧客獲得数

  8,000万枚×0.1%=80,000人


0.1%は顧客獲得コストからすれば、決して高いレスポンスではないと感じたかもしれない。それでもなぜ同梱チラシを配布しているかといえば、地道な顧客獲得なくして、通販事業の成功はありえないからだ。

まずは自社商品を知ってもらい、そこからリピート購入してもらう。繰り返し購入してもらうことで、利益を稼ぎ出しているのだ。

購入した顧客へ送付されるカタログ「四季彩々」の発行部数は、現在57万部。そこから1年で1万5千円購入してもらえれば、粗利7,500円がとれると植田氏は話す。

実際に私、藤田は1000円お試しセットを購入してみた。ネット上からも好きなものを3点選べるようになっている。

プーアール入りジャスミンティ
1箱1,680円(2.5g×30個入)
ジャスミンの香りが疲れた体と心を癒してくれる


味はどれもよい。その中のプアール入りジャスミンティはすでに何度かリピート購入し、今も毎日愛飲(仕事のあいまのひと時に最高)、知人にもギフトで贈っている。

通販成功では、扱う商材が命運をわけることは確かである。では、同社はネットを介しての販売について、どうとらえているのか?

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