NVIDIAのHyblid PowerとAMDのATI PowerXpress
ある程度のグラフィックパフォーマンスを実現する基本は、性能の高いGPU(グラフィックス・プロセッサ・ユニット)を載せるという方法だ。
性能の高いGPUを載せた場合、グラフィック性能が高くなるかわりに、GPU自体の消費電力が上がり、発熱も大きくなり、バッテリ駆動時間が短くなったり、発熱が大きくなると言うデメリットがある。
これを解消するため、消費電力が低いチップセット内蔵GPUと外部GPUを両方搭載する製品があった。
バッテリ駆動時間を重視する場合はチップセット内蔵GPUを、グラフィック性能を重視する場合は外部GPUを使うという方法で、切り替えるためには、電源を再起動(コールドブート)する必要があった。
実際の利用者をみていると、電車の中などでOSを起動している方もいまだに多いので、それで十分な場合もあるかもしれないが、ノートパソコンの場合、液晶を閉じてスタンバイ、開けたらそのまま閉じる前の状態に数秒で復帰する方がスマートで、いちいち時間のかかる電源入り切りをしない方も多いと思う。
外部GPUとチップセット内蔵GPUを使用した場合のパフォーマンスの違い discreteというのはチップセットに内蔵されない外部GPUのこと。 |
そこで登場したのが、NVIDIAのHyblid PowerとAMDのATI PowerXpress。
それぞれのテクノロジは、チップセット内蔵GPUと外部GPUを電源の入れ直しすることなく、OS実行中にダイナミックに切り替えできるという物。
これは、例えばAC電源駆動中は外部GPU、バッテリ駆動中はチップセット内蔵GPUでというようなことをユーザーが選択できる。これにより、ゲームをやりたいときはAC駆動でグラフィック性能を上げて、バッテリ駆動中はテキスト入力が主体なので、バッテリ駆動時間重視でパフォーマンスを下げるというようなことが出来る。
AMDのATI PowerXpressはAMDのチップセットM790GとATI Mobility RADEONの組み合わせで実現できるが、NVIDIAの場合、NVIDIA製チップセットに加え、将来はインテルのチップセットでもHyblid Powerが使えるようになるようだ。詳細はCentrino 2が発表される頃に明らかになると思われる。