夫婦関係

「なんで貯金できないの?」妻を“浪費家”扱いする夫にイラッ!夫婦仲を壊す「お金のNG習慣」7つ

妻が買った「298円のスイーツ」を浪費扱いする一方、自分の出費は「自己投資」。夫婦仲を険悪にするのは、金額の大小よりも“お金に対する不公平感”かもしれません。夫婦のお金にまつわる「NG習慣」を7つ紹介します。※画像:PIXTA

三松 真由美

三松 真由美

夫婦関係 ガイド

会員1万3000人を超えるコミュニティ「恋人・夫婦仲相談所」を運営し、夫婦仲の改善、セックスレス対処法ED予防法を真剣に考える夫婦仲コメンテーター。的確なアドバイスにファンが多く、マスコミ取材や著書執筆、講演多数。『オトナのお悩み保健室』サービス開始。

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「フルーツのせプリン」で夫婦仲が険悪に!?(画像:PIXTA)
「フルーツのせプリン」で夫婦仲が険悪に!?(画像:PIXTA)

皆さんのリビングでは、どんな会話で「カチン」とくる場面が増えますか。

夫婦間の価値観の差はそれぞれです。生活習慣や口癖など細かいことをほじくればキリがありません。

なかでも、大きな夫婦げんかに発展しやすいのが「お金問題」です。

目次

金額の大小が問題なのではない

住宅ローン、教育費、老後資金――。夫婦のお金の話と聞けば、避けて通れない「でっかいお金」を思い浮かべる人も多いでしょう。

ところが、筆者の運営する夫婦仲相談所で話を聞いていると、妻や夫の口から多数出てくるのは、意外にももっと小さなお金問題です。

「私が買ったスーパーの298円のモンブランに『ぜいたくじゃない?』と言う夫。デパートで買えば1000円のところを、スーパーで買ってありがたく食べて喜んでるのに、水を差されるんです。自分の9000円のワイシャツは“仕事道具”だって。あきれますよね」

「会計になると急に靴ひもを結び直すんですよ。払わないなら私の財布から出すからいい。でも、そのタイミングでの芝居がキモい」

そうです。夫婦を険悪にするのは金額だけではありません。

相手の「ずるさ」「したたかさ」「無関心」「せこさ」が透けて見えた瞬間、「こういうところ、気分悪い」と感じるのです。

実際、海外の夫婦100組が15日間つけた日記から748件の対立を調べた研究では、お金のけんかは頻度が高いわけではないものの、長引きやすく、繰り返され、解決しにくいと報告されています。

つまり、お金の話をしているようで、実は別のところに反応しているのかもしれません。

「この人はケチで心が狭いのでは?」

「公平なマインドを持っている?」

「自分だけ得をしようとする人なのでは?」

そんな相手の人間性や価値観まで、無意識に見てしまうのです。

ここからは、よくある2つの夫婦のケースから、関係をじわじわ悪くする「お金のNG習慣」を考えます。

妻のフルーツ付きプリンは浪費、夫のイヤホンは自己投資

菜々子さん(34歳・仮名)と圭太さん(36歳・仮名)は、結婚5年目の共働き夫婦。生活費は毎月同額を共同口座に入れ、それ以外は各自で管理するスタイル。一見、今どきの公平な家計です。

ところが菜々子さんには、圭太さんの「お金を見る目」がだんだん気持ち悪く感じられるようになっていました。

スーパーから帰ると、夫はレシートをテーブルに広げ、菜々子さんが買ったカフェラテやスイーツを指でトントンします。

「こういうの、毎回買う必要ある? 痩せたいとか言ってるじゃない。しかもフルーツがのってるプリンは普通の倍の額だよね」

その数日後、玄関には夫が買った新しいワイヤレスイヤホンが届きました。値段は2万4000円。「オンライン会議の音質は大事。これは自己投資だ」と悪びれません。

さらに、トイレットペーパー、洗剤、調味料、友人宅への手土産は、なぜかいつも菜々子さんのカード払い。夫は家賃と光熱費を半分出しているので、「完全に折半できている」と思っています。

ある夜、二人で外食した際、会計伝票が置かれた瞬間に圭太さんは「メールチェックする」とスマホに目を落としました。菜々子さんが全額払うと、店を出てから「あとで送金するね」。しかし翌日になっても送金はなし。菜々子さんが割り勘にしてねと言うと、1円単位まで細かく割った金額が届きました。

「私が嫌なのは2443円の完全折半払いじゃない。払う瞬間だけ存在を消すところと、自分が使うお金にだけ立派な名前をつけるところなんです」

圭太さんに悪意はなかったのでしょう。でも、「俺は合理的、妻は浪費家」という上下関係を毎回つくっていた。菜々子さんの愛情を冷ましたのは、金額ではなく、小さな侮辱でした。

家計簿を握る妻と、給与明細を閉じる夫

麻紀さん(47歳・仮名)と悟さん(49歳・仮名)は、結婚18年目。高校生と中学生の子どもがいて、住宅ローンと塾代が家計を圧迫していました。家計管理はずっと麻紀さんの担当です。

麻紀さんは節約熱心。冷蔵庫には「今月あと食費2万1800円」と書いた付箋を貼っています。悟さんがコンビニの袋を下げて帰ると、中身を見て、「家にコーヒーあるよね」。レシートがないと、「何を隠してるの?」。月末には、夫のカード明細の気になる箇所を赤ペンで丸く囲んで食卓に置きます。

悟さんはその“公開処刑”が嫌で、会社帰りのラーメンを現金で払い、給与明細も見せなくなりました。夏の賞与から5万円を別口座に移したことも黙っていました。

一方で麻紀さんも、子どもの模試代、部活の遠征費、義母への誕生日プレゼント、壊れた炊飯器の買い替えなど、予定外の出費を一人でやりくりしています。足りなければ自分の美容院を1回パス。なのに悟さんからは、「そんなに徹底管理してるのに、なんで貯まらないの?」と言われます。

そしてある日、麻紀さんが夫の「5万円の移動」に気付き、大げんかになりました。

悟さんの言い分は、「自由になるお金がないから隠した」。麻紀さんは「私だって好きで取り締まっているんじゃない。あなたが無計画に使うから腹が立つの」と泣きました。

この夫婦は、妻が「管理者」、夫が「被管理者」になり、やがて妻は刑事、夫は容疑者になってしまったのです。監視が隠し事を生み、隠し事がさらに監視を強める。どちらか一人を悪者にしても、この循環は止まりません。

夫婦仲をじわじわ壊す「お金のNG習慣」7つ

1. 自分の支出は正義。相手の支出は「無駄」とバッサリ

自分のパソコンは「自己投資」、相手の化粧品は「ぜいたく」。自分の飲み会は「人脈づくり」、相手のランチは「遊び」。この考え方は、金額以上に相手の尊厳を傷つけます。同じ基準で話し合えない人とは、家計の相談もできません。

2. トイレットペーパー代を“なかったこと”にする

食材、洗剤、子どもの文房具、薬、手土産。少額でも繰り返し買う生活必需品は、家計の底から確実にお金をさらっていきます。「家賃を半分ずつ出しているから公平」とは限りません。買い物をする手間、在庫を気にする頭の負担まで含めて「家計」です。

3. お会計の瞬間だけ透明人間になる

伝票が来るとトイレへ行く、スマホを見始める、財布を出すふりだけする。「あとで払う」と言って払わない。相手が腹を立てるのは、おごらされること以上に、“相手が払って当然”という甘えが透けて見えるからです。

4. 相談せずに事後報告で済ませる

高額な家電、投資、サブスク、親への援助を一人で決めてから伝える。自分のお金のつもりでも、家族の将来に影響する額なら共同案件です。事後報告は、相手の「考える権利」を奪います。

5. 収入額を“発言権”に換える

「俺の方が稼いでいる」「生活費を出しているのは私」。こうなると、家計の話はいつの間にか「家庭内の身分制度」になります。収入の少ない側が家事や育児を多く担っている場合もあります。給与明細に載らない貢献をゼロ円扱いしないこと。夫婦のお金は、「いくら稼いだか」だけで決まるものではありません。

6. レシートを証拠品にして、相手を取り調べる

「この480円、何?」「昨日もコンビニ行ったよね」。家計の確認は必要です。でも、人前で明細を並べたり、責める口調で詰問したりすれば、話し合いではなく尋問になります。監視される側は正直になるどころか、「見つからない払い方」を覚えます。

7. お金の話を、怒ったときだけする

請求書が届いた夜。カード明細を見た直後。特にどちらかが酔っているときに始めると、家計の会議は必ず「責め会」になります。普段は黙っていて限界で爆発するのもNGです。

「家計の正解」より、二人が納得できるルールを

2023年に公表された研究では、カップルの金銭的な対立について、「価値観の違い」「一方的な金銭的意思決定」「負担の不公平感」「相手の無責任さ」など複数のテーマが特定されました。特に負担の不公平感や相手の無責任さに関する対立を経験した人では、パートナーとの関係満足度などが低い傾向が示されました。

夫婦仲を守るために必要なのは、完璧な節約術ではありません。「お金を出す人」「管理する人」「使い道を決める人」が固定され、一人だけに権力や負担が集中していないかを見直すことです。

おすすめは、月に一度、20分だけの“お金ミーティング”をすること。

ご機嫌なときに開催してください。責める材料を持ち寄るのではなく、次の4つだけを共有します。

  • 今月、予定外だった支出
  • 来月、まとまって必要になるお金
  • 家計から出すか、個人のお金から出すか迷うもの
  • 互いが口を出さない「自由キャッシュ」の金額

財布を全部1つにする必要はありません。別財布でも共同口座でも、互いが納得していればよし。ただし、ルールを知らない人、守るだけの人、尻ぬぐいする人をつくらないこと。

お金のけんかの表面には、たいてい数字があります。でも、その数字の下にあるのは、「私ばかり」「どうせ言っても無駄」「大切にされていない」という感情です。

「フルーツをのっけたプリン」だけで夫婦は壊れません。壊すのは、その嫌みで相手を下に置く習慣です。

<参考>
・Papp, L. M., Cummings, E. M., & Goeke-Morey, M. C. “For Richer, for Poorer: Money as a Topic of Marital Conflict in the Home.” *Family Relations*, 58(1), 91–103, 2009.
・Peetz, J., Meloff, Z., & Royle, C. “When couples fight about money, what do they fight about?” *Journal of Social and Personal Relationships*, 40(11), 2023.  

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
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