夫婦関係

夫婦関係を修復する“魔法の一言”とは? 離婚する夫婦・しない夫婦の「小さな習慣」4つ

離婚しない夫婦が、いつまでもラブラブなわけではありません。離婚する夫婦も最初から相手を憎んでいたわけではありません。では、その分かれ道はどこにあるのでしょうか。離婚する夫婦としない夫婦の「習慣」から、その違いを探ります。※画像:PIXTA

三松 真由美

三松 真由美

夫婦関係 ガイド

会員1万3000人を超えるコミュニティ「恋人・夫婦仲相談所」を運営し、夫婦仲の改善、セックスレス対処法ED予防法を真剣に考える夫婦仲コメンテーター。的確なアドバイスにファンが多く、マスコミ取材や著書執筆、講演多数。『オトナのお悩み保健室』サービス開始。

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離婚するかしないかの分かれ道とは(画像:PIXTA)
離婚するかしないかの分かれ道とは(画像:PIXTA)

「夫は空気みたいな存在。一緒にいるのが嫌なわけではないけれど、介護状態になったら、逃げたくなるかもしれない。好きとかいう気持ちはなくなってるんでしょうか」

夫婦仲相談所には、こんな漠然とした相談がとても多く寄せられます。浮気発覚、借金があった、などの明確な夫婦危機ではありません。けれど、毎日の小さな違和感が積もって、ある日ふと「この人と死ぬまで一緒にいるのかな。それ、イヤかも」と思ってしまうのです。

目次

離婚する夫婦・しない夫婦の「習慣」とは

厚生労働省が公表した令和6年(2024)人口動態統計の確定数によると、2024年の離婚件数は18万5904組。前年より2090組増えています。もちろん、数字だけで夫婦の幸せや不幸せは測れません。筆者は長年離婚の相談を受けてきて、「離婚する夫婦」と「離婚しない夫婦」には、日常の習慣にはっきりした違いがあると感じています。

離婚しない夫婦は、ラブラブ夫婦とは限りません。毎日手をつないでいるわけでも、記念日にバラの花束を贈り合っているわけでもありません。むしろ、淡々と過ぎる生活の中で、相手との関係を壊さない“小さな習慣”を持っています。

逆に離婚する夫婦も、最初から相手を憎んでいるわけではありません。むしろ「好きで結婚したはずなのに、なぜこうなったのだろう」と戸惑っている方が多い。離婚は、ある日突然起きる大事件というより、小さな諦めの積み重ねで起きることが多いのです。

会話がなくなる。相手に期待しない。触れ合いを手放す。二人の未来を考えることをストップする。その“諦めグセ”に早く気付けるかどうかが、分かれ道です。

今回は、「離婚する夫婦」「離婚しない夫婦」の習慣を4つずつ紹介します。

離婚する夫婦1:不満を「ため続ける」

不満を飲み込むのは危険サイン(画像:PIXTA)
不満を飲み込むのは危険サイン(画像:PIXTA)

夫に大きな不満を抱えている結婚17年目の美香さん(仮名・49歳)は、私にこう言いました。

「家事をシェアしてくれない。私がどんだけ疲れていても気にしない。休日は動画視聴ばかり。何度も文句を言うのが嫌になって。もう注意したくない!」

ということで、会話が激減。それによって口論はなくなり、静かな関係になったといいます。

「それ、美香さんの心中はザワつかない?」

「今はパワーを使わず、将来の財産分与のときまでひたすら耳をふさいでおきます」

一見、夫婦げんかが減って荒波は立たず、平和になったように見えても実は、危険サインということです。妻が何も言わなくなるときは夫婦仲が平穏になったのではなく、妻の心の中で“夫婦閉店準備”が始まっていることもあるのです(夫側の閉店準備ももちろんあり)。

離婚する夫婦は、その場で本音を言わずにやり過ごす。「どうせ言っても変わらない」と飲み込む。そして限界が来たときに、過去の不満が一気に噴き出すのです。

離婚しない夫婦1:不満を「小出し&クリア」にする

一方、離婚しない夫婦は、気持ちと改善策を小出しにします。

「今日ちょっと疲れてるから、食器洗いだけお願い」

「今のその言い方、傷ついたよ」

「スマホ見ながら返事されるとむなしいわあ」

このように、相手を責めないような言い回しで気持ちを伝えるのです。

「あなたっていつも冷たい言い方する」という相手批判ではなく、「今の返事は私、見下されたみたいで悲しかったよ」という自分主語の感想です。言い方を変換するだけで、「はいはい、気をつけますね」と動く可能性が上がります。「小出し&クリア」を繰り返すこと。これが大事です。

離婚する夫婦2:「正しさ」で勝とうとする

夫婦げんかで相手を論破しようとしていませんか?(画像:PIXTA)
夫婦げんかで相手を論破しようとしていませんか?(画像:PIXTA)

夫婦げんかでよくあるのが、どちらが正しいかを証明しようとする戦いです。

「私の方が長時間家事をしている」

「俺が仕事を頑張らないと家計が成り立たないだろ」

「あなたはいつも上から目線」

「そっちだって、子どもに俺の悪口を吹き込んでる」

こうなると、会話ではなく無意味な裁判です。しかも判決は永遠に出ません。夫婦はどちらかが勝つと、もう片方が負けます。負けた側には、悔しさや恨みが残ります。

離婚しない夫婦2:「着地点」を探す

離婚しない夫婦は、正しさの判定より着地点を探します。

「どっちが悪いか」ではなく、「明日からどうするか」

「誰のせいか」ではなく、「次に同じことが起きないように何を決めるか」

例えば、家事で揉めるなら、「もっとやってよ」ではなく、「月曜と木曜は夫がゴミ、夕食後の食器は先に手が空いた方」など、ルールに落とし込みます。

夫婦げんかのゴールは、相手を論破することではありません。二人が暮らしやすくなる仕組みを作ることです。

離婚する夫婦3:感謝を「省略」する

夫婦で「当たり前」になっていることを見直す必要も(画像:PIXTA)
夫婦で「当たり前」になっていることを見直す必要も(画像:PIXTA)

長く一緒にいると、相手がしてくれていることが見えなくなります。「当たり前モード」になっているのです。

夫が長時間会社で働くこと。妻が早めに帰宅して、家事を回していること。どちらも当たり前ではありません。でも、近すぎる関係ほど「言わなくても分かるでしょ」と省略してしまう。

離婚する夫婦は、感謝を省略します。

離婚しない夫婦3:感謝を「言葉」にする

離婚しない夫婦は、照れながらでも言葉にします。

「助かった」

「ありがとう」

「今日のごはん、おいしかった」

「迎えに来てくれてうれしいよ」

たったこれだけで、二人の空気は変わります。

感謝は、夫婦関係の潤滑オイルです。油が切れた機械がギシギシ音を立てるように、感謝が切れた夫婦は、些細なことでぶつかりやすくなります。

夫婦仲相談所で「最近、パートナーに気持ちを込めたありがとうを言いましたか?」と聞くと、黙ってしまう女性は少なくありません。夫側も「妻は僕が何すれば喜ぶのか分かっていない」と感じていることがあります。愛情は、心の中にあるだけでは足りません。言葉にすると、ストレートに相手の心に届くのです。

離婚する夫婦4:「過去の相手像」で見続ける

年月を経て夫婦関係が変化していくのは悪いことではない(画像:PIXTA)
年月を経て夫婦関係が変化していくのは悪いことではない(画像:PIXTA)

夫婦は、結婚した瞬間のまま年月が過ぎるのではありません。30代妻と50代妻は違います。子育て時期、親の介護が始まる時期など環境で大きく変化します。仕事観、性の問題、親との関係、お金の不安。人生のステージが変われば、夫婦の悩みも変わります。

離婚する夫婦は、相手を現在の姿ではなく、過去の相手像で見続けます。

「前はもっと明るかったのに」

「昔はそんなこと言わなかったのに」

「結婚したころはやさしかったのに」

人は変わります。変わることは悪いことではない。変化を共有しないことが問題なのです。

離婚しない夫婦4:「相手の変化」に気付く

離婚しない夫婦は、相手の変化に気付こうとします。

「最近、疲れてるけど睡眠時間足りてる?」

「仕事、先月よりしんどそうだね」

「私も更年期っぽくてイライラしやすいかも。ごめんね」

こういう会話がある夫婦は強いです。相手を責める前に、「今、この人に何が起きているのか」を見ようとするからです。

離婚しない夫婦は、問題がない夫婦ではありません。問題が小さいうちに見つけて、二人で直す夫婦です。二人の関係に少し違和感があっても、いきなり大きな話し合いをしなくても大丈夫。まずは一言から。

「最近、ちゃんと話せてなかったね」

その一言を言える夫婦は、まだやり直せます。夫婦関係は、壊れる前なら何度でもメンテナンスできるのです。

<参考>
・「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況」(厚生労働省)

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