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「歳とってから、やっちゃいけないこと」とは? 煙たがられる人と「話を聞きたい人」の決定的な違い

年齢を重ねるほど「常識的でいなければ」と考えがち。しかし、それが人としての魅力を失わせることも。精神科医が考える、おもしろく歳を重ねるヒントとは。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

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歳を重ねて周囲から煙たがられる人がやっている3つのこと ※サムネイル画像:PIXTA
歳を重ねて周囲から煙たがられる人がやっている「3つのこと」とは? ※画像:PIXTA

年齢を重ねて周囲から煙たがられる人と、何歳になっても「この人の話は聞きたい」と思われる人。その違いはどこにあるのでしょうか。

高齢者専門の精神科医・和田秀樹氏の著書『老いの品格 品よく、賢く、おもしろく』では、年齢に抗うのではなく、歳を重ねるほどに魅力的で味わい深い人になるための思考法が明かされています。

今回は本書より、世間の「常識」や思い込みを脱ぎ捨て、高齢期だからこそ自分の頭で自由に考える大切さについて一部抜粋して紹介します。

目次

煙たがられる人がしている3つのこと

歳をとるほど常識的なことを言いたがる傾向がありますが、当たり前のこと、常識的なことを言っているかぎりは「おもしろい老人」にはなれません。常識的、あるいは道徳的な高齢者こそが「品のある人」だと思われがちですが、私にいわせれば、それは「ただの人」です。

あとで述べますが、私が常識にとらわれることなく生きている老人のイメージとしているのが、タレントの高田純次さんです。この高田さんが、毎日放送「情熱大陸」(2015年7月放送)でこんなことを話していました。

「歳とってやっちゃいけないことは『説教』と『昔話』と『自慢話』」

けだし名言というべきです。

「年寄りの説教はおもしろくない」と若い世代に煙たがられるのは、高齢者が言わなくてもわかっているようなことを言うからです。同じ説教でも、たとえば亡くなった瀬戸内寂聴さんの説教はほかの人と違うことを言っていたから、多くの人が聞きたいと感じたのです。

歳をとるということは、いまさら常識に縛られる必要がないということです。

さらにいえば、常識的でないことこそが、高齢者のおもしろさでもあります。

ただこれは、非常識な老人になれと言っているわけではありません。

テレビの情報番組のコメンテーターには、いかにも賢そうに見えて、よく聞くと常識的なことしか言っていない人もいます。一方で、支離滅裂に見えても他人と違うことを言おうと努力している人もいて、そういう人の存在感はやはり際立っています。

「みんなと同じ」ではおもしろくない

毒にも薬にもならないような、たんに物知りなだけの高齢者をめざすより、「みんなはそう考えているかもしらんけど、こうなんや」と言える、誰とも違う見方をする「おもしろい高齢者」をめざしたほうが、魅力的だといえるのではと思います。

そのためには、自分の頭で考え、人が言っていないことを探す必要があります。

たとえば、高齢者がみんな新型コロナを怖がっている頃であれば、「そうは言うけど、去年はインフルエンザで自分が知っている範囲だけで二人も亡くなっている。年寄りにとってはどんな病気だって命取りになる確率は高いのだから、コロナが特別怖いとは思わない」と言ってみるというのが一例です。

聞いた人のなかには反発もあるかもしれませんが、「この人はおもしろい」という印象を与えると思います。

「常識」を疑い、自分の頭で考えてみる

あるいは、戦争について考えてみましょう。「日本も、戦争を仕掛けられたら抗戦できる力をもつべきだ」という論調に対して、戦争を実際に経験し、空襲被害を受けた高齢者のなかには「戦争の悲惨さを経験したこともないのに軽々に言うな」と言う人が多いのは事実です。

でも、そこで、「憲法9条を盾に、平和平和の大合唱をしているだけでは国が滅びる。そうなったら、ウクライナの市民のようにおれたちが最前線に立って戦ってやるよ」「若い人が犠牲になるくらいなら、おれたち高齢者が盾になってやる」などと言って、平和ボケした日本に一石を投じてみてはどうでしょう。

実際、私の長年の担当編集者は、有名な老評論家に「若い人の代わりにおれたちが死んでやる」と言われて、感激して泣いていました。

いま、日本を戦争ができる方向に進めようとする政治家の一族に、先の大戦で戦死した人が一人でもいるのでしょうか。明治時代までは、特権階級の子弟も戦争に行っていましたが、ある時期から、そうした一族の人たちはせいぜい内地勤務で、戦死することは少なくなりました。

陸軍大学校や海軍大学校の出身者も一世や二世が多く、彼らは多数の兵を前線に送り、特攻隊を出撃させておきながら、みずからは戦地に赴くことなく命を惜しみ、自分たちのいる作戦本部をどんどん後退させていきました。

死ぬのが怖い人たちが戦争を進めれば、負けるのは当然の成り行きです。近年、アフガニスタンでイスラム主義組織のタリバンが復権したり、ハマスのようなイスラム過激派が攻撃を続けていますが、彼らは宗教的な信念により、基本的に死を忌避しません。そして、死を恐れずに戦う勢力を根絶やしにすることは不可能です。

その意味でいえば、日本の軍の上層部が死を恐れず、本当の「一億総玉砕」のつもりで本土決戦に突き進み、山岳ゲリラとなって戦いつづけることを選んでいたら、いずれアメリカがあきらめるかたちで日本が勝っていたかもしれません。

歴史をふりかえると、アメリカは朝鮮戦争は勝利しておらず、ベトナム戦争にいたっては負けています。このような例を見るかぎり、アメリカ本土で被害がなくても、派遣した兵士に一定数以上の戦死者が出た時点で、戦費の支出を議会が許さなくなるため、戦争の続行が不可能になって敗戦(撤兵)を選んだのです。対日戦争でも、日本が徹底抗戦してアメリカ国民や議会に厭戦ムードが広がれば、そうなっていたかもしれません。

とはいえ、もしそれで勝ったとしても、日本は取り返しがつかないくらいぼろぼろの国になっていたことでしょう。その意味では、軍の上層部が死を怖がる人ばかりだったのは、日本にとって運がよかったといえます。

そんなことをつらつらと考えてみてもいいと思います。どんなことでもかまわないのですが、ありきたりではない話、おもしろい話をすることを意識しましょう。

「これを知らないと恥ずかしい知識集」などというものを必死に読んでいる人もいますが、「知らないと恥ずかしいこと」とは、すなわち「誰でも知っていること」であって、そんなことを知る必要があるとは思えません。それを知れば、ほかの人と違うことを探す参考にはなるかもしれませんが、そんなことに時間を使うくらいだったら、人が言っていないことをどう探すかを考えたほうがいいでしょう。

『老いの品格 品よく、賢く、おもしろく』(和田秀樹/PHP研究所)
『老いの品格 品よく、賢く、おもしろく』(和田秀樹/PHP研究所)

著者:和田 秀樹(精神科医)
1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、35年近くにわたり高齢者医療の現場に携わっている。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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