
「子どもの教育費、大学までで結局いくら必要なの?」と不安を感じる人は少なくありません。すべて国公立でも約856万円、私立ならそれ以上と聞くと途方に暮れてしまいがちです。
しかし実は、毎月支給される「児童手当」をそのまま手をつけずに貯めるだけで、1人あたり230万円以上(第3子なら約650万円)もの教育資金をつくれることをご存じでしょうか。大学費用の約半分をこれだけで準備できる計算になります。
『たまごクラブ』のお金特集を30年以上監修してきたファイナンシャルプランナー・畠中雅子氏の著書『働くママのための妊娠・出産・育児のお金と制度、ぜんぶ教えてください!』(日東書院本社)より、児童手当を確実に貯める口座の工夫や、返戻率105%以上の学資保険、NISAの活用法まで、賢い教育資金づくりを徹底解説します。
目次
すべて国公立を選ぶと「合計856万円」
幼稚園から高校までの教育費は、文部科学省が2年ごとに発表している「子どもの学習費調査」から引用してみると、幼稚園(3年間)から高校までの15年間、すべて公立を選んだ場合は約617万円、すべて私立を選んだ場合は約1971万円です。
大学時代の教育費は2年ごとに独立行政法人日本学生支援機構が発表している「学生生活調査」からの引用でみると、国立大学は4年間で約239万円、私立大学は4年間で約523万円となります。すべて公立を選ぶと、トータルでかかる金額は856万円になります。
総金額をみると心配になりますが、表にある公立学校の1年間の金額でみると、高校まで家計費からの捻出も考えられるのではないでしょうか。また、2026年から所得制限なしの高校授業料無償化により、今後はさらに総金額は減る見込みです。

【ここに注目!】高校無償化の流れ
上記の調査は2023年のものですが、2025年から高校無償化制度の所得制限がなくなりました。すでに「高等学校等就学支援金」年額11万8800円が支給されています。公立高校の年間授業料は11万8800円なので実質的に無償化です。私立高校の無償化は、2026年度から全国的に拡充されました。
児童手当は使わなければ230万円以上の貯蓄に!
児童手当は、きちんと申請すれば出産の翌月分からもらえます。3歳の誕生月までは月1万5000円。それ以降は18歳(高校3年生の3月分)まで、月1万円がもらえます。
手をつけずに貯めていった場合、誕生日によってもらえる月数に数カ月の差はあるものの、いずれも230万円以上のまとまった資金になります。これは大学時代に必要となる教育資金の半分くらいを準備できる計算です。
確実に貯めるため、児童手当は生活費とは別口座に
児童手当を確実に貯めるために行いたいのは、生活費とは別の口座を振込口座に指定したり、ネット銀行の一部で扱っている自動的に振り替えてくれるサービスを利用したりすることです。
【貯めるテク!】ドコモSMTBネット銀行の「定額自動振替サービス」を使った場合
児童手当が入金される口座から自動的にドコモSMTBネット銀行の口座に移動。1円以上で好きな金額を設定できるので、基本的には児童手当額を設定しましょう。3歳の誕生月まではひと月1万5000円、それ以降の振替額はひと月1万円にして、18歳の3月まで貯める。口座に30万円や50万円など、まとまった金額が貯まったら定期預金に預け入れるなど、少しでも有利な預け方の工夫を。
第3子以降の児童手当は約650万円も貯められる
第3子以降の児童手当は、0歳から18歳(高校3年生の3月分)まで月3万円もらえます。この3万円を使わずに貯めていくと、なんと650万円もの貯金ができる計算です。
ただし、児童手当は3人目の数え方に注意が必要。上の子どもが大学を卒業すると(22歳の年度末を過ぎると)、児童手当の制度から外れるからです。第1子が大学を卒業した翌年には第3子が第2子に繰り上がり、支給額は月1万円に減額されます。
返戻率が高い「学資保険」の加入を!
児童手当を貯めるのとともにおすすめしたいのが、学資保険への加入です。学資保険は出産予定日の140日前から加入できますので、出産後の慌ただしいなかで加入するより、じっくり検討できる妊娠中の加入がおすすめです。
■払い込み期間は短いほうが◎
学資保険に加入するときのポイントは、保険料の払込期間を5年、10年、12年(歳)などの短期払いにすること。保険料の支払い年数を短くすると、月々の負担は重くなりますが、多額の教育資金が必要になる前に支払いが終わるメリットがあります。
■返戻率は105%以上のものを選ぶ
学資保険を選ぶときの注意点は、支払った保険料に対して受け取れる学資金の割合ができるだけ有利なものにすること。具体的には、支払った保険料に対して105%以上の返戻率になるものがおすすめです。返戻率の高い学資保険を紹介しますので参考に。
学資保険おすすめ3選
・日本生命「ニッセイの学資保険」
・明治安田生命「つみたて学資」
・フコク生命「みらいのつばさ」
NISAで運用するのもおすすめ!
児童手当の貯蓄と学資保険、さらに教育費の上乗せ部分を効率的に作るために、NISAを利用した積立投資も検討してみましょう。NISAには一定額までは運用によって出た利益に税金がかからないメリットが。NISA口座をどの金融機関で開設するかにもよりますが100~1000円で始めることができ、投資金額や投資商品の銘柄の変更も可能です。お金が必要なときに売却し現金化もできます。
■少しでも資金を増やすために積立投資を
NISAの投資は積立投資とスポット投資の2種類がありますが、教育資金を準備するためには毎月決まった額を投資する積立投資が向いています。年間で120万円まで可能で、通算ではスポット投資と合わせて1800万円まで非課税で投資ができます。
【ここに注目!】NISAの年齢制限が撤廃に! 月々数千円からの積立投資を
2027年以降は18歳になっているNISAの年齢制限がなくなる予定になっています。実際には親が子ども名義で投資することになりますが、教育資金用の投資口座として月々数千円程度の積立投資を始めるのもいいでしょう。
この記事の執筆者:畠中雅子(はたなか まさこ)
ファイナンシャルプランナー(CFP®)
大学時代にフリーライター活動をはじめ、マネーライターを経て、1992年にファイナンシャルプランナーになる。原稿執筆、監修業務、相談業務、セミナー講師、講演などをおこなっており、メディアへの掲載件数は1万件を超える。二男一女の母としての経験をもとに、『たまごクラブ』のお金特集を30年以上監修している。著書・監修書は70冊超。






