年金

60歳で住宅ローンが残り1000万円超「退職金や年金の繰り上げ受給で、早めに返済を終わらせたほうがいい?」

人生100年時代といわれる今、60代を迎える多くの方が「お金の正解」が見えない不安を抱えています。今回は、1000万円超の住宅ローンを抱えたまま老後の生活を迎えるケースについて、All Aboutマネーガイドの酒井富士子さんにローン返済と年金受給のポイントを教えてもらいました。※サムネイル画像:PIXTA

酒井 富士子

酒井 富士子

60代の得する働き方 ガイド

ファイナンシャル・プランニング技能士

経済ジャーナリスト。株式会社回遊舎 代表取締役。上智大学新聞学科卒業後、日経ホーム出版社に入社。「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに入社。「赤すぐ」(赤ちゃんのためにすぐ使う本)副編集長を経て、2003年から現職。近著に『60代の得する「働き方」ガイド』がある。

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人生100年時代といわれる今、60代を迎える多くの方が「お金の正解」が見えない不安を抱えています。

そこで、All Aboutマネー編集部が毎月実施している「家計のアンケート」の回答をもとに、60歳以上のリアルな声を集計しました。中には、60歳を過ぎて1000万円以上の住宅ローン残債があるという方が一定数見られます。

今回は、大きなローンを抱えたまま60代を迎えるケースについて、経済ジャーナリストでAll Aboutマネーガイドの酒井富士子さんにローン返済と年金受給のポイントを教えてもらいました。

Q:60歳で住宅ローンが残り1000万円以上……退職金と年金の繰り上げ受給で、早めに返済を終わらせたほうがいい?

ローン計画を立てていたとはいえ、60代に入って1000万円超のローンが残っているのは心理的にも不安なもの。今後も返済能力が維持できるとも限りません。

65歳までは払い続け、退職金で一括返済するか、もしくは年金を早く受け取る(繰り上げ受給)などして、返済の足しにしたほうがいいのでしょうか。

A:退職金で住宅ローンを返済するのはできれば避けたい

まず、一番にお伝えしたいのは、退職金で住宅ローンを返済するのはできるだけ避けたいということです。退職金で住宅ローンを払わない、これが基本です。

多くの住宅ローンには、団体信用生命保険(団信)がついています。万が一のことがあれば、その時点で残債はなくなります。老後資金の柱である退職金を削ってまで、無理に返済する必要はありません。

住宅ローンは、定年後も含めて淡々と払い続けるもの。早く終わらせようとするのではなく、住宅ローンに振り回されないことが大切です。

もちろん、60歳時点で資産が5000万円程度あるような場合は、1000万円程度を返済に充ててもいいでしょう。ただし、それでも必ずしも繰り上げ返済が必要というわけではありません。あくまで余裕資金の範囲で考えるべきです。

年金繰り上げも不要。完済まで働くことを前提に

では、年金を60歳から繰り上げ受給して返済に充てるべきかというと、これもおすすめはしません。

年金は繰り上げたり繰り下げたりせず、65歳から受け取るのが基本です。住宅ローンのために受給タイミングを動かす必要はありません。

「では毎月の返済をどうするか」です。ここで考えるべきはシンプルで、完済するまで働き続けること。

例えば、住宅ローンが70歳まで残っているのであれば、70歳まで働く前提で考えます。今の会社の継続雇用だけで足りないのであれば、仕事を変えることも視野に入れてみてください。

在職老齢年金の仕組みも変わり、働いて給料を得ながら年金を全額受け取れる枠が広がっています。上限(※)を超えないように働き、もし生活費として余るようでしたら、その分は返済ではなくNISAで運用するとよいでしょう。

※令和8年度から、賃金と老齢厚生年金の合計が月65万円
【アンケート調査概要】
対象:All About読者
期間:2025年1月~2026年1月
調査方法:ネットによる任意回答
有効回答総数:1197(うち60歳以上:449)
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2026/4/30まで)を実施中です!

※抽選で20名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
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