慢性化したつらい腰痛は年齢のせい? 実は意外な生活習慣が原因かもしれません
皆さんの中にも、「ずっと湿布を貼っている」「朝起きると腰が重い」といった悩みを抱えている方も多いかもしれません。腰痛があると、「姿勢が悪いから」「年のせい」「この前、重い物を持ったから」と考えがちですが、実は私たちの何気ない「日々の生活習慣」が、痛みの引き金や長期化の原因になっているようです。
2025年に発表された最新データをもとに、腰痛の意外なリスク因子と、効果的な対策について、分かりやすく解説します。
肥満や運動不足だけが原因ではない? 腰痛と生活習慣に関する大規模調査
これまでも、肥満や運動不足は腰痛に悪影響と考えられていました。しかし、日本においては生活習慣と、腰痛の強さ・慢性化の関係について、大規模なデータを使った調査は実は多くありませんでした。そこで、藤田医科大学整形外科の川端走野氏らの研究チームは、20歳から90歳までの日本人約2000名を対象に、生活習慣が腰痛にどう影響しているのかの調査を実施しました。調査では、参加者を以下の3つの視点で分析しています。
- 現在、腰痛があるか(発症)
- その痛みは生活に支障が出るほどか(重症度)
- 3カ月以上痛みが続いているか(慢性化)
「今、腰が痛い人」に共通する5つのリスク因子
まず、「現在、腰痛を抱えている人」に共通する特徴として、統計的に有意な5つの因子が浮かび上がりました。- 年齢が高いこと
- BMIが高いこと(肥満傾向)
- 週3回以上の飲酒
- 喫煙習慣
- 脂質異常症(コレステロールや中性脂肪の異常)
腰痛を重症化させる原因は、タバコ・運動不足・脂質異常症
次に、腰痛の「強さ」に注目してみましょう。単に痛むだけでなく、生活に支障が出るほどの「中等度から重度」の痛みを感じている人には、以下の3つの特徴がありました。- 喫煙習慣
- 運動不足
- 脂質異常症
運動は腰痛の発症予防というより、痛みを「こじらせない」「ひどくしない」ために極めて重要だといえそうです。
慢性腰痛を引き起こす原因は、年齢・タバコ……「喫煙」は腰痛の最大のリスク因子
そして、最も避けたいのが3カ月以上も痛みが続く「慢性腰痛」です。この慢性化に強く関連していたのは、以下の2つだけでした。- 年齢が高いこと
- 喫煙習慣
タバコを吸う人は吸わない人に比べ、慢性腰痛になるリスクが約1.7倍も高いという結果が報告されています。これは過去の海外研究とも一致しており、タバコは腰痛における最大のリスク因子の1つと考えられます。
なぜ「タバコ」や「コレステロール」が、腰痛に深く関係するのか
「タバコや脂質なんて、腰と全く場所も違うし関係ないのでは?」と思うかもしれませんが、これには「血流」が深く関係していると考えられています。腰の骨の間には、クッションの役割を果たす「椎間板(ついかんばん)」があります。この椎間板には太い血管が通っていないため、栄養を届けているのは、周囲の非常に細い血管です。
- 喫煙による血管の収縮
- 脂質異常症による動脈硬化
腰痛対策は「全身の健康管理」から! 今日からできる3つの改善ポイント
今回の研究から、腰痛対策は単なるマッサージや湿布だけではないことが分かります。もし長引く腰痛に悩んでいて、喫煙習慣や脂質異常症の指摘があるなら、まずはそこから改善することが「脱・腰痛」への近道です。- タバコを控える(禁煙を検討する)
- 脂っぽい食事を見直し、脂質異常症を治療する
- 無理のない範囲でウオーキングなどの運動を習慣にする
■参考文献
Soya Kawabata,Noriaki Kurita,Takuya Nikaido,et al.Association between lifestyle-related factors and low back pain: Evidence from a Japanese population-based study.PLoS One.2025 Jul 30;20(7):e0328684.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40737241/#full-view-affiliation-1







