疲労回復法

Q. 露天風呂で日本酒を楽しむ「雪見酒」に憧れます。温泉での飲酒に注意点はありますか?

【温泉療法専門医が解説】露天風呂に日本酒を浮かべて楽しむ「雪見酒」。冬の温泉旅行で憧れる人もいるようですが、医学的には注意が必要です。危険性とその理由を、分かりやすく解説します。(※画像:amanaimages)

早坂 信哉

早坂 信哉

お風呂・温泉の医学 ガイド

医師

1968年生まれ。宮城県出身。 1993年自治医科大学医学部卒業後、地域医療に従事。 2002年自治医科大学大学院医学研究科修了。博士(医学)を取得。 その後、浜松医科大学准教授、大東文化大学教授 などを経て 2015年東京都市大学人間科学部教授(現職) 一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長

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Q. 露天風呂で日本酒を楽しむ「雪見酒」に憧れます。温泉での飲酒に注意点はありますか?

温泉に浸かりながら一杯…リスクはない?

温泉に浸かりながら一杯……リスクはない?

Q. 「露天風呂で日本酒を楽しむ『雪見酒』に憧れます。温泉宿の広告などでよく見かけますが、一方で、飲酒後の入浴は禁止している温泉が多いので、安全なのか気になります。何か注意すべきことはありますか? 現在50歳で、持病などは特にありません」

A. 入浴中の飲酒は、血圧の急激な変化などのリスクも。医学的にはおすすめできません

寒い季節に、露天風呂で温まりながらおいしい日本酒を味わうのは、非常に魅力的に思えますね。冬の旅行のぜいたくとして憧れる人も多いでしょう。しかし残念ながら、体には大きな負担をかける行為ですので、医学的に見るとおすすめはできません。

入浴中は体温が上がり、血管が広がって血圧が下がりやすくなります。そこにアルコールが加わると、さらに血圧が低下し、ふらつきやめまいが起きやすくなります。場合によっては意識を失うこともあり、非常に危険です。浴槽内で倒れたり溺れたりする事故は珍しくありません。高齢者以外の若い年齢層でも、毎年多くの死亡事故が起きています。特に冬場は血圧の変動が起こりやすいため、飲酒との組み合わせは危険が増すことを認識すべきでしょう。

温泉宿の中には、冬の風物詩として「湯船で一杯」など、温泉とお酒を同時に楽しめるプランを用意しているところも見られます。しかしそれらの宿も、「ちびちび飲みましょう」「飲み過ぎに注意」といった注意喚起を行っています。持病などがなくても、安全性を考えるならば、温泉での飲酒は避けた方が無難です。

安全に温泉を楽しみたいなら、入浴中の飲酒は控えることが基本です。温泉宿でお酒を飲みたいなら、湯船から上がって体を落ち着かせてから、ゆっくりと楽しむのがよいでしょう。

さらに詳しく知りたいかたは、「避けたい入浴中の死亡事故…冬場の入浴心得5か条」をあわせてご覧ください。
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