本作は寺西拓人さんにとって記念すべき映画初主演作! 探偵ものといっても、前半はほのぼの、後半はさまざまな思惑が重なり合ったサスペンス。寺西さんの優しさやかっこよさをふんだんに見せる作品に仕上がっていました。まずは探偵・宇佐美蓮についてお話を聞きました。
『天文館探偵物語』寺西拓人さんにインタビュー
――本作で演じた探偵・宇佐美蓮の特徴とキャラクターについて教えてください。寺西拓人さん(以下、寺西):探偵というと『名探偵コナン』などのように、事件を解決していくイメージがあったのですが、この映画の探偵は天文館周辺の困り事の依頼を次々解決していくという、街の便利屋さんみたいな探偵なんです。
宇佐美は「天文館」という場所とそこで生活する人々が大好きで大事にしています。彼が勤める探偵事務所の裏には託児所があり、子どもたちを預かっているのですが、宇佐美自身もそこで育ったという背景も意識して演じました。
過去の傷を抱えて生きているという一面もありますが、彼が「天文館」で起こることに尽力するのは、この街に尽くすことで街の人だけでなく、自分自身も救われると思ったのかもしれません。
――そんな少し陰があるところや、俯瞰で状況を見極められるところも宇佐美のかっこよさだと思いました。時々キザなセリフもありましたね。
寺西:僕が普段絶対に言わないようなかっこいいセリフだったのですが、ちゃんと宇佐美として自然に言葉が乗るように役に入り込んで演じました。
仲間との共演はやりやすくて安心感がある
――本作ではtimeleszのメンバー原嘉孝さんや、同じ事務所の室龍太さん、高田翔さんも出演されていますが、それぞれタイプの異なる憎まれ役でした。よく知る仲間と共演された感想は?寺西:そろいもそろってなぜ敵役にと思いましたが(笑)、やはり気心が知れた仲間がいるだけで安心感はありますし、それぞれのキャラクターも彼らの持ち味が生きていたと思います。
3人の中で一番がっつりと組んで芝居ができたのは、蒲生清彦役の高田くん。逃げまくる蒲生を追いかけて走り回ったり、路面電車に乗り込んだ彼を自転車で追いかけたり。結構広範囲だったので大変でしたが、天文館の方の協力と僕と高田くんの阿吽の呼吸で乗り切りました。やはりよく知る人との芝居はやりやすかったです。 ――原さんは、個性的な医者役でインパクトがありました。
寺西:普段の原のイメージとはガラリと違うキャラクターで、敵役らしい芝居をしてきましたね。彼の出番は1日だけでしたが、少ない出番でも強烈な印象を残していくところはさすがです。ただ僕はまだ撮影が残っているのに、彼は出番を終えてサッと帰っちゃって、ちょっと腹が立ちました(笑)。
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