年金

年金のもらい忘れを防ぐには?一番はやく漏れのない確認方法

老後の年金を確実に受け取るためには、いつ、いくらもらえるのかだけでなく、もらい忘れを防ぐ「準備」がとても大切です。経済ジャーナリストでAll Aboutマネーガイドの酒井富士子さんに詳しく伺いました。※サムネイル画像:PIXTA

酒井 富士子

酒井 富士子

60代の得する働き方 ガイド

ファイナンシャル・プランニング技能士

経済ジャーナリスト。株式会社回遊舎 代表取締役。上智大学新聞学科卒業後、日経ホーム出版社に入社。「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに入社。「赤すぐ」(赤ちゃんのためにすぐ使う本)副編集長を経て、2003年から現職。近著に『60代の得する「働き方」ガイド』がある。

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老後の年金を確実に受け取るためには、「いつ、いくらもらえるのか」だけでなく、もらい忘れを防ぐ準備がとても大切です。ところが実際には、受け取りに必要な確認を後回しにしたり、大事な書類を開けずにしまっていたりする方も少なくありません。

今回は、年金事務所の上手な活用法と、59歳で届く赤い封筒「ねんきん定期便」の見方について、経済ジャーナリストでAll Aboutマネーガイドの酒井富士子さんに伺いました。

年金のもらい忘れを防ぐ第一歩は、年金事務所への相談から

年金受給が近づいた60代前半の方に、まずやっていただきたいことは、年金事務所へ相談に行くことです。年金制度は仕組みが複雑で、FP(ファイナンシャル・プランナー)でも全て把握するのは難しいほど。迷ったときは、まず年金事務所に相談するのが一番早く、そして確実です。

相談は無料で、全国どこでも利用できます。予約制ではありますが、事前に電話やオンラインで相談内容を伝えておくと、当日の案内がとてもスムーズです。

ただし、亡くなる方が増える12月~1月の後は遺族年金の相談が増えて混み合うという情報もあり、それ以外の時期がおすすめです。「こんなこと聞いていいのかな」と恥ずかしがったり、遠慮したりする必要はありません。基本的な疑問でも、丁寧に答えてくれるはずです。

59歳で届く赤い封筒の「ねんきん定期便」は放置しないで

相談とあわせて、ぜひ確認していただきたいのが、日本年金機構から届く赤い封筒の「ねんきん定期便」です。これまでの加入記録や将来の年金見込み額がまとめられた、とても重要な書類です。ここで記録漏れや未納期間が見つかることも珍しくありません。

ところが、この封筒を開けないまましまってしまう方も多いのです。もし記録に誤りがあっても、自分から申し出ない限り修正されません。特に、転職の多かった方や、自営業と会社勤めを行き来した方は、加入記録が抜けているケースもあるので注意が必要です。

気になる点があれば、早めに年金事務所へ確認してください。職員の方が一緒に加入履歴を見ながら説明してくれますし、その場で修正できることもあります。

年金受給の超基本!年金は申請しないともらえない

基本的なことですが、年金は申請しないと受け取れない仕組みです。手続きをしないまま放置してしまうと、「本来もらえるはずだった年金を受け取れなかった」ということもありえます。

年金事務所で相談すると、自分の公的年金の受給申請のサポートはもちろん、加給年金(配偶者がいる場合)といった、自分では気付きにくい制度の案内もしてくれます。

名前になじみがないので見過ごされがちですが、年金事務所だけでなく、街角の年金相談センター」も公的年金事務所と同じ機能ですので、利用するのもおすすめです。

こちらは、日本年金機構の委託を受けた、全国社会保険労務士会連合会というところが運営しており、一部の県をのぞいて、都道府県の主要な都市に設置されています。

年金は「受け取る金額」より、「受け取る権利」を確実にすることが大切です。

59歳で届く「ねんきん定期便」をきっかけに、自分の年金を正しく把握すること。そして、困ったときは年金事務所に相談すること。これが、老後資金のもらい忘れを防ぐ最も確実な方法だと思います。
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