金融経済教育推進機構が行った「2024(令和6)年 家計の金融行動に関する世論調査」においては、金融資産保有額(ここでは日常的な出し入れ・引き落としに備えている部分を除いた「運用のため、または将来に備えて蓄えている資産」のこと)が発表されています。金融資産を持っていない、または100万円以下であると回答した世帯主が50歳代の世帯は、二人以上世帯では「37.9%」、単身世帯では「53.3%」です。
定年を迎える60歳までに老後資金をつくることを真剣に考えている人も多いことでしょう。今回は「貯める」ことに加えて、お金とうまく付き合うための3つの習慣をご紹介します。50代からのちょっとした意識の違いが、10年後・20年後の安心を左右します。
50歳になったら取り入れたい「お金持ち習慣」1:将来の支出を“見える化”して不安を減らす
老後の不安の多くは、「どのくらいお金が必要か」「いつまで足りるのか」が見えていないことから生まれます。50代のうちに、ざっくりでもいいので将来の生活費を数字で“見える化”しておきましょう。
例えば、家計簿や口座明細をもとに「老後も続く支出(住居費・光熱費・保険料など)」と「今だけの支出(教育費・ローンなど)」を分けて整理。さらに、家の修繕や家電の買い替え、医療・介護など、将来、必要となる支出も忘れず加えておくと安心です。
不安の正体は「見えないこと・分からないこと」。地味な解決方法ですが、生活にかかる支出を確認することで、「意外と大丈夫」「ここは改善しよう」と冷静な判断ができます。
50歳になったら取り入れたい「お金持ち習慣」2:スキルアップへの“投資”を惜しまない
50代は、定年後を見据えて“自分への投資”を始めるタイミングです。というのも、今後は「60歳で完全リタイア」ではなく、「働けるうちは働く」という人が増えています。そのときに、これまでのスキルを生かすのか、新しい分野に挑戦するのかで必要な準備も変わります。
資格取得やオンライン講座、コミュニケーション力を磨く学びなど、将来の収入や生きがいにつながる使い方を意識しましょう。「お金を使う目的」を明確にすると、一時的なレジャーやショッピングなどの浪費が減り、自分のためになるお金の循環が生まれます。
50歳になったら取り入れたい「お金持ち習慣」3:小さな支出に“気付く力”を持つ
コンビニやドラッグストア、100円ショップの立ち寄り、週に数回のカフェなどは、どれも1回当たりは小さな出費です。しかし積み重ねると年間で数万円単位になることも。「特別なぜいたくをしていないのにお金が残らない」人は、こうした“無意識の習慣が引き起こす支出”を続けている傾向にあります。
老後のゆとりは、収入よりも「支出をいかに抑えるか」で決まります。なんとなくお金を使う習慣があるという人は、1週間だけでも支出をメモしてみましょう。「これは本当に必要だった?」と振り返るだけで、自然とお金の使い方が整っていきます。