皮膚・爪・髪の病気

Q. 爪にくっきりとした黒い線ができ、不安です。爪のがんでしょうか?

【皮膚科医が解説】爪にできた黒い線や黒色の点、足の爪の変色などを心配して皮膚科を訪れる方は少なくありません。しかし、その多くは爪下出血などの良性の原因によるものです。爪のがんとの違い、病院受診の目安を解説します。

野田 真史

野田 真史

皮膚の健康 ガイド

皮膚科専門医

東京大学医学部を卒業後、皮膚科診療を行う。皮膚科専門医。東京大学大学院医学系研究科卒業(医学博士)。ニューヨーク州医師免許を取得し、2014年からニューヨークのロックフェラー大学皮膚科で診療、研究。2016年東京大学医学部附属病院皮膚科助教。2018年7月1日、池袋駅前のだ皮膚科(https://tokyoderm.com)を開業。

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Q. 爪に黒い線ができました。がんの可能性はあるでしょうか?

爪の黒い線の正体とは?

爪の黒い線の正体とは?


Q. 「最近、右手の親指の爪に細い黒い線が出てきました。痛みはありませんが、テレビで爪のがんの話を見て不安です。これは放っておいても大丈夫でしょうか?」
 

A. 多くはがんではありませんが、症状が急拡大した場合は要注意です。

爪の黒い線や黒色の多くは、出血や水虫、色素沈着など良性の原因によるもので、がんはまれです。ただし、特定の特徴がある場合は注意が必要です。

爪が黒くなる原因で最も多いのは、爪の下で起こる内出血(爪下血腫)です。強くぶつけた後や長時間の運動で生じ、爪の成長とともに数か月で自然に消えていきます。他にも、水虫による変色や、メラニン沈着・ホクロによって細い黒い線(黒色線条)が現れる場合があります。良性の線は細く、色むらがなく、境界がはっきりしているのが特徴です。

一方、爪のがんである悪性黒色腫は非常に少ないものの、放置は危険です。線が太く色にむらがあり、途中で途切れている場合や、爪が変形している場合は要注意です。

特に50代以上で、数か月から2年ほどの短期間で症状が拡大した場合は、早急に皮膚科を受診してください。悪性黒色腫は進行すると転移のリスクが高く、早期発見・早期手術が重要です。

さらに詳しく知りたい方は、「【症例写真】爪が黒い・黒くなる病気一覧・症状・治療法」をあわせてご覧ください。
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