映像調整項目の意味と調整方法
■バックライト
液晶で作り出した映像を、後ろから光源で照らし出す、液晶テレビ特有の調整項目です。 ブラウン管やプラズマなど、自発光方式のテレビに、この調整項目は有りません。
「バックライト」では、光源となるバックライトの明るさ自体を調整します。 ステンドグラスに例えると、太陽が沈むと、見え方が暗くなるのに似ています。
調整のポイントですが、周囲の明るさに応じて、映像が眩しくなくなるまで、充分に暗く設定します。 例えば、就寝前など、消灯して部屋が暗い場合、「バックライト」は、かなり暗く設定する事になるでしょう。 眩しさを抑えだけでなく、人間の黒髪や影など、映像の黒部分が、白っぽく浮くのを緩和でき、画質面でも有利です。
逆に、直射日光が差し込むような部屋では、映像がハッキリと見えるまで、明るく設定します。
因みに、バックライトの明るさは、消費電力に直結します。 昼間なら、ある程度遮光し、バックライトはできるだけ暗く設定するのが得策です。
尚、格安メーカー製のテレビでは、バックライトが調整できないモノが多くあるので、購入時は注意しましょう。
■ブラックレベル
「ブラックレベル」では、映像の黒部分の「明るさ」を調整します。 ステンドグラスに例えると、太陽の光はそのままで、透過率の悪いガラスを使う事で、見え方が暗くなるのに似ています。
「ブラックレベル」を暗く設定し過ぎると、人間の黒髪や、影のように暗い部分が潰れ、映像全体が、平面的になってしまいます。 逆に、明るく設定し過ぎると、映像の黒部分が明るくなり、コントラストの弱い、締りの無い映像になってしまいます。
調整のポイントは、人間の黒髪など、映像の黒部分を頼りに、立体感や細部の様子が見えなくなるギリギリまで暗く設定します。 こうする事で、黒に含まれる細かな情報を損なうことなく、コントラスト比の高い、ダイナミックな映像が楽しめます。
* 製作者の意図や、制作時の調整不良によるバラツキがあります。 正しい基準レベルに調整するには、テストパターンを用いた調整が有効です。
■ホワイトレベル
「ホワイトレベル」では、映像の白部分の「明るさ」を調整します。 ステンドグラスに例えると、太陽の光はそのままで、透明に近い、透過率の良いガラスを使う事で、白く明るく見えるのに似ています。
「ホワイトレベル」を明るく設定し過ぎると、青空に浮かぶ雲が飛んで見えなくなるなど、元の映像に忠実ではなくなってしまいます。 逆に、暗くく設定し過ぎると、太陽やライトの輝きが抑えられ、コントラストの弱い、つまらない映像になってしまいます。
調整のポイントは、青空に浮かぶ白い雲などを頼りに、細部が見えなくなるギリギリまで明るく設定します。 こうする事で、白に含まれる細かな情報を損なうことなく、輝きが感じられる、コントラスト比の高い、ダイナミックな映像が楽しめます。
* 製作者の意図や、制作時の調整不良によるバラツキがあります。 正しい基準レベルに調整するには、テストパターンを用いた調整が有効です。
■色の濃さ/色合い
バックライト、ブラックレベル、ホワイトレベルに比べ、色の濃さや色合いは、比較的、周囲の照明環境の影響を受け難いといえます。 一般的なご家庭の場合、工場出荷時の設定で、不満は無いかもしれません。
調整する場合のポイントは、普段から見慣れている、人間の肌色を頼りに、自然に見えるように設定します。 好みに調整するのも良いでしょう。
* 色の濃さや色合いを、製作者の意図に忠実に再現したい場合、テストパターンを用いた調整が有効です。