食と健康

Q. 鶏わさや鶏刺しを食べてみたいです。生食で注意すべきことは?

【管理栄養士が解説】「鶏わさ」や「鶏刺し」のメニューやレシピを見かけることがあります。しかし、鶏肉にしっかり火を通さずに食べる料理には、食中毒の危険性が伴います。わかりやすく解説します。

平井 千里

平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養 ガイド

小田原短期大学食物栄養学科 教授。女子栄養大学栄養科学研究所客員研究員。女子栄養大学大学院 博士課程修了。名古屋女子大学 助手、一宮女子短期大学 専任講師を経て大学院へ進学。肥満と栄養摂取の関連について研究。前職は病院栄養科責任者(栄養相談も実施)。現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養情報を発信。

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Q. 鶏わさや鶏刺しを食べてみたいです。生食で注意すべきことを教えてください 

鶏肉の生食はなぜ危険なのか?

鶏肉の生食はなぜ危険なのか?


Q. 「居酒屋のメニューで『鶏わさ』や『鶏刺し』を見かけることがあります。生に近い鶏肉は危ないと言われてますが、食べてみたいです。新鮮なら大丈夫なのでしょうか? 生食をするときに注意すべきことがあれば、教えてください」
 

A. 鶏肉の生食は食中毒菌によるリスクが非常に高いため、おすすめしません

鶏わさや鶏刺しなどの鶏肉に十分に火を通さない料理があります。「鶏わさ」は、鶏肉をさっと湯通ししてわさび醤油をつけて食べる料理で、「鶏刺し」は、鶏肉に火を通さず刺身のように生で食べる料理です。

確かに飲食店のメニューで見かけることもありますが、食の安全を重視する管理栄養士としては、どちらもおすすめすることはできません。鶏肉の生食が危険なのは、カンピロバクターなどの食中毒菌によるリスクが非常に高いためです。カンピロバクターは肉の表面だけでなく、内部にも潜んでおり、ほんの少しの菌でも発症します。加熱すれば死滅しますが、中心部が生の状態では食中毒を引き起こす可能性が大変高いです。

飲食店側が「表面をそぎ落としているから安心」と説明することもあるようですが、これは誤りです。実際に、お店で提供された生の鶏肉料理で食中毒が発生したことはありますし、死亡事例の報告もあります。

鶏肉の生食は、地域によっては昔ながらの食文化として残っているケースもあります。そうした地域では、食中毒を予防するための独自のガイドラインを設けて、リスクを抑える工夫をしているようです。基本的には、鶏肉は中心まで十分に火が通っているかを確認することが、最低限の安全対策です。

さらに詳しく知りたい方は、「Q. 「鶏ユッケ」に食中毒の危険性はないのでしょうか?」をあわせてご覧ください。
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