鎌倉・江ノ島の観光・旅行

鎌倉のアジサイ「必見スポット3カ所」を効率よく2時間で巡るモデルコース

鎌倉のアジサイ「必見スポット3カ所」を巡るモデルコースを紹介しながら、アジサイの季節の鎌倉を、できるだけ効率よく巡るためのポイントを解説。紹介するのは、「明月院」「長谷寺」「成就院」の3カ所。※画像:筆者撮影

森川 天喜

執筆者:森川 天喜

国内旅行ガイド

鎌倉といえばアジサイ、アジサイといえば鎌倉というくらい、アジサイの名所が多い神奈川県鎌倉市。梅雨時の鎌倉はアジサイの見物客でごった返し、人気のお寺では長い行列ができることも珍しくない。
長谷寺の「アジサイ路」では、アジサイとその向こうに見える海のコラボが楽しめる

長谷寺の「アジサイ路」では、アジサイとその向こうに見える海のコラボが楽しめる

今回は、「明月院」「長谷寺」「成就院」という鎌倉のアジサイ「必見スポット3カ所」を巡るモデルコースを紹介しながら、アジサイの季節の鎌倉を、できるだけ効率よく巡るためのポイントを解説する。
<目次>

【明月院】鎌倉のアジサイ寺

数多い鎌倉のアジサイの名所の中でも、最も有名で「鎌倉のアジサイ寺」と呼ばれているのが、北鎌倉の「明月院」という寺院だ。明月院へは、JR横須賀線の北鎌倉駅から徒歩10分ほど。
「鎌倉のアジサイ寺」こと明月院門前のアジサイ

「鎌倉のアジサイ寺」こと明月院門前のアジサイ

アジサイの時期(6月)、明月院は通常期よりも早い8:30に開門する。6月11日、朝8:30過ぎに到着すると、寺院入口の拝観受付で並ぶことはなかったが、境内にはすでにかなり多くのアジサイの見物客がいた。

お寺の人の話だと、「(平日なので)これでも空いている方。混雑する日だと、午前中でもこの数倍のお客さんがいて、足の踏み場もないこともある」とのこと。明月院はそれほど境内が広くないので、混雑しやすいのだ。鎌倉で何カ所かアジサイの名所を巡るならば、明月院を最初の訪問先にしたい。また、できるだけ開門時間に近い早朝に訪れるべきだ。

アジサイが両脇に植えられている参道を本堂に向かって歩いて行こう。明月院のアジサイは淡いブルーの小さめな花が多い。これは日本古来の「ヒメアジサイ」という品種で、私たちが見慣れた「西洋アジサイ」よりも、やや小ぶりなのだという。
明月院の本堂への参道のアジサイ

明月院の本堂への参道のアジサイ

本堂前に到着すると、ここにも行列ができていた。本堂の壁にポッカリと開いている円窓越しに見える本堂後庭園をカメラに収めようとする人たちの行列だ。SNS映えするということを、皆さん、よくご存じなのである。

今回は先を急ぐので行列に並ばなかったが、本来、お寺は信仰の場である。本堂へ来たならば、仏様に手を合わせるのを忘れないようにしたい。

ちなみに、円窓の向こうに見える本堂後庭園も拝観可能だ。6月上旬は、ハナショウブが見頃を迎えており、普段の拝観時間は10:00からだが、今の時期は9:00からになっている。

●明月院
所在地:鎌倉市山ノ内189
6月の拝観時間:8:30~17:00(最終受付16:30)
拝観料:500円(本堂後庭園は拝観料とは別に庭園入口で500円が必要)

【長谷寺】山の斜面の色とりどりのアジサイ

明月院の境内を30分ほど散策し、次は長谷寺へと向かう。長谷寺は江ノ電の長谷駅から徒歩5分の場所にある。

明月院のある北鎌倉から長谷へ向かうには、裏大仏ハイキングコースというハイキングコースを歩く手もあるが、梅雨時は山道が滑りやすく、歩くのが難しい日が多い。また、バスで鎌倉駅へ出て江ノ電に乗り換えて向かうこともできるが、バスは渋滞に巻き込まれるリスクがある。

そう考えると、いったん北鎌倉駅へ戻り、横須賀線で鎌倉駅へ移動し、江ノ電に乗り換えて長谷に向かうのが、もっとも効率的であろう。
長谷寺のアジサイは色とりどり

長谷寺のアジサイは色とりどり

長谷寺の門前へは9:30に到着。平日の午前中で少し小雨もパラつく天気だったこともあり、ほとんど並ばずに拝観券(400円)を購入できた。境内に入り、本堂(観音堂)のある高台へと石段を上っていく。

本堂内にまつられているのは、像高9.18メートルもある十一面観世音菩薩像。木造の仏像としては日本最大級だという。参拝を済ませたら外へ出て、本堂脇に設置されているテントへ向かう。ここで裏山の斜面に設置された散策路「あじさい路」への入場チケット(500円)を購入する。

筆者が購入したチケットには「9:30~10:20」という時間が書いてあった。この時間の間に入場するようにということらしい(退場時間は自由)。この日はスムーズに入場できたが、休日ともなれば大変な混雑になる。だから、1時間あたりに入場できる人数を制限しているのだ。
長谷寺の「アジサイ路」。山の斜面に咲くアジサイ

長谷寺の「アジサイ路」。山の斜面に咲くアジサイ

なお、この「アジサイ路」への入場は、長谷寺のホームページから事前にネット予約することも可能であり、入手したQRコードを示すことでスムーズに入場できる。ただし、キャンセル可能なのは前日まで、また、予約すると指定された時間前には入場できなくなるので注意が必要だ。何時頃に到着予定か、スケジュールが読めるときにうまく活用するのがいいだろう。

長谷寺のアジサイは、山の斜面に色とりどりの花がたくさん咲いている。頂上付近まで上ると、咲いたアジサイの向こうに海が見える。このアジサイと海のコラボが、この「アジサイ路」の最大の魅力である。

●長谷寺(長谷観音)
所在地:鎌倉市長谷3-11-2
拝観時間(4~6月):8:00~17:30(閉門17:00)
拝観料:400円(「アジサイ路」は、別途500円が必要)

【成就院】アジサイと弧を描く由比ヶ浜

長谷寺を後に、今日の最後の目的地である成就院へ向かうが、その途中で御霊神社(別名:権五郎神社)という、地元の小さな神社に立ち寄りたい。

道順を案内すると、長谷寺を出たら県道を長谷駅方面へ少し戻り、収玄寺というお寺の手前の路地を右手に入る。この先、さらに狭い路地へ入り権五郎神社境内へと進む。途中、所々に道標が出ているので、迷うことはないだろう。

この権五郎神社には、平安時代の武士で「鎌倉武士の鑑」ともいわれた権五郎景政(鎌倉景政)公がまつられている。境内は撮影禁止だが、社殿裏手にアジサイがわりと多く植えられている。また神社の鳥居を出るとすぐ目の前に江ノ電の踏切があるのだが、この付近は江ノ電とアジサイを一緒に撮影できるスポットとして知られている。
権五郎神社前。江ノ電とアジサイ

権五郎神社前。江ノ電とアジサイ

久しぶりに来てみると、木製の柵が設置されていて、「撮影許可エリア」という張り紙がなされていた。撮影者のマナーが悪く、こうした張り紙をせざるを得なかったのだろう。
「撮影許可エリア」の張り紙

「撮影許可エリア」の張り紙

今回の記事でこの場所を紹介すべきか少し迷ったが、良識ある読者諸氏にマナーを守っていただくようお願いする意味で、あえて載せることにした。撮影する際には危険がないよう、十分に注意をお願いしたい。江ノ電では、鎌倉高校前の通称「スラムダンク踏切」でも、撮影者の危険な行為が問題になっている。

撮影を終え、踏切を渡って進むと「力餅家」という、江戸時代から300年以上続く和菓子店が右手に見えてくる。この店の名物は、餅(または求肥)にたっぷりの餡子(あんこ)をまぶした「力餅」というもの。大変な力持ちだったとされる権五郎景政にちなんだネーミングである。鎌倉土産といえば「鳩サブレー」や「クルミッ子」が人気だが、たまにはこうしたシブいお土産もいかがだろうか。

「力餅家」の角を右手へ進み、ゆるい坂道を上っていくと、左手に成就院の境内へと続く参道が見えてくる。この参道にアジサイが植えられており、石段を上りきった先からは、アジサイが咲く向こうに弧を描いて広がる由比ヶ浜が見える。まさに絶景である。
成就院参道のアジサイ

成就院参道のアジサイ

成就院では、2019年の創建800年にあわせてこの参道の改修工事が行われ、その際にアジサイも植え替えられた。しばらくの間アジサイが見られなかったため、アジサイの名所ということが忘れられてしまったのかもしれず、筆者が訪れたときは思いのほか人が少なかった。鎌倉のアジサイの穴場スポットということができそうだ(もちろん、休日はもっと混んでいるだろうが)。
参道を上りきるとアジサイと弧を描く由比ヶ浜の絶景が広がる!

参道を上りきるとアジサイと弧を描く由比ヶ浜の絶景が広がる!

さて、成就院から江ノ電の極楽寺駅はすぐそこ。極楽寺駅に到着したのは10:30頃。わずか2時間で、ずいぶんたくさんのアジサイを楽しむことができた。

今回は、かなり駆け足で鎌倉のアジサイの名所を巡ったが、平日の午前中という最も空いている時間帯を狙ったので所要時間はあくまでも参考情報ということでご理解いただきたい。混雑状況や好みに応じて、ご自身のスケジュールを組んで、アジサイの季節の鎌倉を楽しんでほしい。

●成就院
所在地:鎌倉市極楽寺1-1-5
拝観時間(夏季):8:00~17:00(閉門)
拝観料:志納(参道は無料)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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