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「既読スルーは失礼だし」「催促されてる?」業務時間外や休日に届く“お仕事”LINEの迷惑度

「仕事熱心」のつもりが、実は相手にプレッシャーを……? 業務連絡を休日や深夜に送っていませんか。そのメッセージが、相手を不快にさせ、職場の人間関係をギクシャクさせる原因になっているかもしれません。※サムネイル画像:PIXTA

執筆者:All About 編集部

業務時間外や休日のメール。「仕事熱心」のつもりが、相手にプレッシャーを与えているかも?

業務時間外や休日のメール。「仕事熱心」のつもりが、相手にプレッシャーを与えているかも?  ※画像出典:PIXTA

「既読スルーは失礼だよね……」上司や先輩からのメッセージに、すぐに返信しなきゃと思っていませんか? その気遣いがかえって相手を困惑させ、あなたの印象を悪くしているかもしれません。

ITジャーナリスト・高橋暁子さんの著書『若者はLINEに「。」をつけない 大人のためのSNS講義』では、世代間のSNS利用における「常識」の違いや、それによって生じるコミュニケーションの誤解について、具体的な事例を交えながら解説しています。

今回は本書から一部抜粋し、ビジネスシーンにおけるメッセージの送信時間や頻度が相手にどのような印象を与え、時には意図せぬプレッシャーとなってしまうのか、その注意点について紹介します。
<目次>

クライアントからの早朝の連絡、急ぎで返すべき?

「クライアント/上司が早朝や深夜にメッセージを送ってくるとプレッシャーを感じる」と聞いたことがあります。

クライアントや上司は、自分が相手に合わせるべき、目上の存在です。そのような相手が早朝や深夜に仕事をしているのに、自分はしなくてもいいのか。急ぎで返事をするべきではないのか、すぐに仕事に取りかかるべきではないのかと感じるというのです。

返信の早さも同様です。返信が遅いとスケジュールを立てられないなど、相手に多大な迷惑をかけます。

返事が早いことはいいことであり、異論はないでしょう。日中などは、お互いにビジネスタイムのため返信が特に早く、スピーディにやり取りができることがあります。話が早く進んで手離れがいいので嬉しくなります。

ところが、早朝や深夜にメールやメッセージを送り、相手からすぐに返事が来た場合は、そうではありません。返ってこないのが当たり前の時間にすぐに返事が来たら、驚きを感じたり、恐ろしさを感じたりしてしまうでしょう。

自分のことを棚に上げて、そんな時間まで仕事を強いられている先方の会社に対してある種の不安を抱くかもしれません。

業務時間外や休日に用件を思いついたとしても、たとえ相手に返事を強いないメールなどでも、急ぎの連絡以外するべきではありません。

基本的に連絡は業務時間内にするようにしましょう。

勤務時間外や休日のLINE、相手はどう思う?

相手への返信でも同様です。たとえ「いつ見るかわからず、返事は見た時にすればいい」ツールであるはずのメールでも、このようなプレッシャーを感じます。

まして、LINEやSMS、SNSのダイレクトメッセージなどで連絡をした場合は、相手に「緊急性が高い」「すぐに対応すべき」というメッセージを伝えます。

LINEはメッセージをプッシュ通知にしていることが多く、いつも持っているスマホに届くため、メッセージとしてとても強くなります。勤務時間外や休日などにLINEをする場合、相手にプレッシャーをかけることになります。

親しい相手とのみつながる手段として始まったツールでもあるため、プライベートに入り込まれた気持ちにもなります。それゆえ、相手によっては嫌がられてしまうというわけです。

メッセージの頻度も、多すぎると相手に対して「催促されている」というプレッシャーを与えることになります。

迷惑メールフォルダに入ってしまっているとか、メッセージが多すぎて見逃しているとかの可能性もあるので、適宜確認は必要です。しかし、あまりにも頻繁に連絡を送りすぎると、嫌がられる可能性が高くなるでしょう。

忙しい相手の場合は返事が来るまで時間がかかることも多いので、「お忙しいところ申し訳ありませんが、【○月×日午前中】を目処にお返事いただければ幸いです」のように締め切りを指定しておくと、何度も連絡をせずに済みます。

締め切りを過ぎて返事がない場合は、催促のメッセージを送っても問題ありません。

上司から部下、クライアントからビジネス相手に対して頻繁に連絡をした場合は、さらに強いプレッシャーを与えることになります。

立場の違いに配慮したメッセージ頻度、送信時間を心がけるべきでしょう。
  高橋暁子(たかはし あきこ)プロフィール
ITジャーナリスト/成蹊大学客員教授。元小学校教員。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。SNSやスマホの安心安全利用等をテーマとして、テレビ、雑誌、新聞、ラジオ等のメディア出演多数。令和3年度から中学校国語教科書(教育出版)にコラム掲載中。
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