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シアタールームの音響性能をグレードアップ! THX流ホームシアター講座 (2)(3ページ目)

第2回) シアターの基本「防音・遮音」

鴻池 賢三

執筆者:鴻池 賢三

オーディオ・ビジュアルガイド

音の性質

音は空気の振動です。その振動は波のように空気中や固体中を伝わります。 

音源から直接聞こえる音、空気の漏れによる音は、「空気伝播音」、壁や床など、固体を伝わって聞こえる音は「固体伝播音」を中心に、それぞれ違った対策が必要です。

 

まずは「空気の漏れ」を防ぐ

窓を閉める事は当然、通気孔などの開口部を塞ぎ、「空気の漏れ」を低減する事で、「空気伝搬音」を効果的に遮音する事が可能です。  窓を閉めるのは無料! すぐに試してみましょう。

 

遮音カーテンや二重サッシを利用

窓やドアは、きっちり閉じても、素材が単一(ガラスや木)であったり、薄い為に、壁面より「固体伝播音」を通し易いと言えます。 二重サッシは効果的ですが、工事や費用が発生します。 手軽な方法としては、遮音カーテンの利用をお勧めします。 ホームシアターなら、遮光も兼ねた製品が好都合です。

「遮音」、「遮光」、「カーテン」といったキーワードで簡単に商品が見つかるはずです。

遮音カーテンは、高い音に効果が有ります。 (人間の声よりも高い音に効果的)

 

低音の防音対策

低音を効果的に防音する手段としては、遮音カーテンではあまり効果が期待できません。 

低音には、厚いコンクリート壁など、「重量」が最も効果を左右します。

遮音材や吸音材を使う事う場合も、手軽ではありませんし、効果を確実にする為には、プロに防音工事を依頼するのが早道ですが、その前に考えられる対策をご紹介します。

 

サブウーファーの防振対策

サブウーファーと床の間に、防振ゴムなどを設置する事で、床に伝わる「固体伝播音」を軽減し、階下への音漏れ対策が出来ます。 

1階なら、階下への音漏れを気にしなくても良いので、選択の余地の有る方は、考慮しましょう。

 

部屋の位置

書斎や寝室など、静寂性が必要な部屋、また逆に、キッチンやリビングなど、騒音源となりそうな部屋から離れた部屋をシアタールームとして確保出来れば、騒音による問題は軽減されます。

部屋と部屋の間が、押入やクローゼットになっている場合も防音効果が期待出来ますので、考慮に入れると良いでしょう。

 

マンション

マンションなど、集合住宅の場合、お隣に接していない部屋の利用が理想的です。

マンション購入前であれば、階下に居住者がいない部屋を選ぶ事も考えましょう。

 

 

新築やリフォームなら、プロに依頼を!

手軽な方法ではありませんが、新築やリフォームの予定があれば、設計時点で考慮して貰いましょう。

後から防音対策をするよりも、安価で機能的にも優れた効果が期待出来ます。

下記のような手法が有ります。(参考)

 

壁面パネルの固定方法を工夫

壁面のパネルを同士お互いを固定しない事で、「固体伝播音」が伝わりにくくなります。 

 

■ドアのオフセット

音の漏れやすい部分を互い違いにすることで、音が伝わりにくくなります。

 

 

■フローティング床

床を浮かせるような2重構造に出来れば、階下への音漏れに効果を発揮します。

防音仕様の床材があるので、「防音」、「フローリング」等のキーワードで検索してみてください。

 

防音については以上です。 防音が出来たら、部屋の音響効果の「調整」に挑戦しましょう。

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