2/2 前編: 本邦初公開! THXホームシアタートレーニング THX(R)とは？ [ホームシアター] All About

■THX規格いろいろ

THXは、製作者が製作時に聞いていた「音」や見ていた「映像」を忠実に再現する事を目的とし、スタジオでの録音から、映画館・家庭での再生機器/環境まで、一貫した規格を設けています。

THX Studio

サウンドの収録、映画館用のファイナルミキシングを行う大規模スタジオ、オリジナルマスターからDVD化を行う中・小規模スタジオに関する認定を行います。　

映画館の認定を行います。

認定制度のポイントは、この認定を受けた映画館が、原音（オリジナルマスター）に忠実で、製作者の意図したサウンドを100％再現出来る事を保証します。　映像に関しても同様です。

観客には、製作者が苦心して作り上げた作品を100％体験できるという魅力があります。

認定は、THXのエンジニアが実際に映画館へ出向き、映画館の総合的な音響特性や機材がTHXの基準に沿っているかどうかを判定します。　審査に合格した映画館は、「THX認定」として営業が可能になります。　非常にハードルが高いとされますが、「ハイクオリティーな映画館」としてのステータスが得られます。

直訳すれば、「THX認定ホームシアター機材販売・施工業者」となりますが、日本のホームシアター事情を考慮すると、本来の意図とイメージがズレてしまうように感じます。　筆者は、「THX認定ホームシアターデザイナー」と訳すほうがイメージに近いと考えています。

THX認定機材の販売自体は自由ですが、THX認定の機材を揃えたとしても、シアタールームが貧弱であったり、設置方法が適切でなければ、認定機材の能力を100％発揮する事は出来ません。

THX認定の機材が、THX認定の販売・施工業者の適切なInstall（据付）により、家庭でも映画館と同等に、製作者が製作時に聞いていた「音」や見ていた「映像」を鑑賞できるようになるのです。

認定は基本的に、THXの本部において年2回開催される、「ホームシアタートレーニングプログラム」を修了した個人に与えられます。　

トレーニングプログラムでは、THXの目的、ホームシアターにおける具体的な音響工学、THXの主旨に沿ったシアタールーム実現の為の設計や施工技術を学びます。　（次号で詳しくご紹介します！）

その他

THX Cinema

THX Home

THX Ultra

THX Ultra2

THX Select

ホームシアター用の機材（アンプ、スピーカー、DVDプレーヤー等）の機材に関する認定です。　

認定制度のポイントは、認定を受けた機材が、THXデジタル・マスタリング（THX認定のマスタリング）されたサウンドや映像を、家庭でも忠実に再現できる点で、言い換えると、家庭でも映画館と同等に、製作者が製作時に聞いていた「音」や見ていた「映像」を鑑賞できる性能を有している事を意味しています。

認定は、メーカーがTHXの基準に沿って設計し、THXに製品を送付した後、THXのエンジニアが実際に詳細な測定を行って合否を判定します。

測定結果は数百ページ（製品のカテゴリーによる）に及ぶレポート（成績書）としてメーカーへ提出されるそうで、その厳格さが窺えます。

THX Certified

Home Theater Dealer/Installer

THX Mobile	THX Homeの自動車バージョンといえるでしょう。（詳細は割愛）
THX Games	ビデオゲームに関する規格です。　工夫を凝らしたリアルな効果音（サラウンド）が、製作者の意図どおり家庭で再現される事を目的としています。