東北の旅館で、温泉や食を極めたい

丸屋旅館
新庄駅から山越え、谷越え。バスで80分走った山間に湧く肘折温泉の「丸屋旅館」
東北は、全国でもトップクラスの「温泉」と「食」の宝庫。酸性泉からアルカリ泉まで火山性の「温泉」に恵まれ、有数の魚場や広葉樹の森に囲まれ、ふんだんで新鮮な「山海の幸」がいただけます。「ちょっと遠い」という理由だけで、東北に行かないなんて、一生の損だと言っても過言ではありません。東北のシーズンは夏と秋。ただ、山菜が旬となる春や、炉端の魚介がうまい冬はもっとお得。
わたしも大好きな東北の中でも、特におすすめの個性的な宿をご紹介しましょう。

大人同士で楽しみたい時には ちょっとリッチな隠れ宿


■ 割烹旅館さつき(青森県・浅虫温泉)
~かけ流しの極上湯に、「七子八珍」を味わう小宿

東北のなかでも、とりわけ珍味に恵まれているのが青森県。津軽湾に面した名湯「浅虫温泉」では、ウニやホヤなど「七子八珍」(青森県の食卓にのぼる魚介の総称)のうち旬のものが必ずお膳に供されます。駅裏の源泉近くにひっそりたたずむ8室の宿が「さつき」。
海に面していなくとも、大型旅館にはない落ち着いた風情はリピーターが足しげく通うにふさわしい雰囲気を醸し出しています。「割烹」と名がつくだけあり料理は絶品。特にとげくり蟹の甲羅に足を詰めた一品には脱帽。ご夫婦でのグルメ旅行にぴったりです。

割烹旅館さつき
住所:青森県青森市浅虫温泉71-7
TEL:017-752-2352
料金:1万9050円~(1泊2食付き、1名当り)
IN/OUT:15:00/10:00(冬期間は10:30)
アクセス:浅虫温泉駅から徒歩3分

■ 九兵衛旅館(山形県・湯田川温泉)
~5月の孟宗筍は最高、庄内の味覚を食べ尽くす湯宿

庄内といえば、イタリアンの「アル・ケッチャーノ」や農家民宿の「知憩軒」などが有名なように、地産地消の先進地。温泉宿でも、旬の「庄内の幸」がいただけます。なかでも、鶴岡市郊外の湯田川温泉の九兵衛旅館では、五月の孟宗筍、夏の岩がき、秋の芋煮、冬の寒鱈汁と庄内ならではの味覚がお膳に並びます。滔々と湧く東北でも有数の古湯は、肌に柔らかな湯。外湯も楽しめます。館内には地元の小学校で教鞭を取っていた時代小説家、藤沢周平の資料展示コーナーがあります(女将が教え子)。
こちらも、静かな旅行が好きな夫婦旅行にぴったりの宿です。

九兵衛旅館
住所:山形県鶴岡市湯田川乙19
TEL:0235-35-2777
料金:1万5225円~(1泊2食付、1名当り)
IN/OUT:14:00/11:00
アクセス:鶴岡駅からバス25分、湯田川温泉下車徒歩3分

■ 丸屋旅館(山形県・肘折温泉)
~館内の角を曲がれば感動がある、木造三階建ての温泉宿

東北の木造宿が居並ぶ温泉街としては銀山温泉が有名ですが、肘折温泉は自炊宿や朝市も残る、現役の山の湯治湯。その共同湯の前に堂々と立つ木造三階建てが「丸屋旅館」。しかし、明治元年創業の湯治宿のままの外観、内装にだまされてはいけません。一歩客室に入ると、シモンズ製のベッドにレインシャワー。モダンで快適な空間が、宿泊客を驚かせてくれます。現役の湯治場で快適に過ごす、現代人にぴったりの温泉宿です。
ちょっと熱めが特徴の肘折の湯を、できれば滞在して楽しみたいものです。

丸屋旅館
住所:山形県最上郡大蔵村字南山519
TEL:0233-76-2021
料金:1万5900円~(1泊2食付、1名当り)
IN/OUT:14:00/11:00
アクセス:新庄駅からバスで80分、肘折温泉下車徒歩1分

■ 温泉山荘 だいこんの花(宮城県・遠刈田温泉)
~自家農園の野菜に、三度傘で入る露天風呂

自ら「高級宿ではありません」と記載するとおり、この宿は「自然食とかけ流し湯を楽しむ“山荘”」そのものです。「高級」というと、高級建材に高級食材など、高級素材を使った宿と想像する人が多いからでしょう。杉材の母屋で、摘みたて野菜を、煮たり焼いたり。この宿の食事の主役は、野菜です。源泉掛け流しの露天風呂に屋根なんかかけません。雨が降れば頭に三度傘。小腹が空いたら、ちょっとしたお夜食。朝はフレッシュジュースと温野菜。
ごくごく自然体の、都会人にとってリッチな時間を、若いスタッフが提供してくれる宿です。

温泉山荘 だいこんの花
住所:宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉北山21-7
TEL:0224-34-1155
料金:3万2800円~(1泊2食付料金、1名当り)
IN/OUT:15:00/11:00
アクセス:白石蔵王駅よりバスで40分、遠刈田温泉下車徒歩15分

■ 湯主一條(宮城県・鎌先温泉)
~老舗温泉旅館が癒しの宿に見事に変身

木造の本館(湯治客)と鉄筋の別館(観光客)という、近代化の進む温泉地の典型旅館だった一條旅館が、「湯主一條」として見事に変身。本館は個室料亭となり、別館はスイートを含むモダンな客室に生まれ変わりました。料理長の斬新かつデザートまで手を抜かないメニューは表彰もの。鎌先の「薬湯」(内湯)もぜひ味わってきてください。
スイートに常備される波動スピーカーから流れるクラシックの音色に癒されてきてください。

湯主一條
住所:宮城県白石市福岡蔵本字鎌先1-48
TEL:0224-26-2151
料金:1万5000円~(1泊2食付料金、1名当り、サービス料別)
IN/OUT:15:00/11:00
アクセス:白石蔵王駅より15:10発送迎車またはタクシーで15分