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世界的な食料難で生き残れる日本人は何人?(2ページ目)

自給率39%の日本。世界的な食料危機が来たら、どのくらいの食料を確保できる?いったい何人の日本人が生き残れるのでしょう?自給率100%なら問題解決?う?ん…。1億人の胃袋を満たす最善策を考えてみましょう。

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

世界的に食が不足している理由は?

アマゾン
ブラジルのアマゾンでは熱帯雨林を切り開き、大豆畑に転用されています。ブラジル産大豆も日本に輸入されています。私たちの胃袋が満たされても、地球の肺が壊れてしまっては元も子もありません。©RFJ
2008年の春は、値上げの春といわれるくらい身近な食品の価格がじわりじわりとあがっていますよね。その大きな要因となっているのが、国際的な小麦価格の上昇です。

小麦は政府が価格を管理している穀物。2007年10月に10%の値上げが行われたことに続いて4月には一律30%の値上げも発表されています。値上げが個々の商品価格に反映されるのはこれからで、ますます食品の価格が値上がりしそうです。

国際価格が上昇している原因は、1つには温暖化に代表される地球規模の気候変動の影響があります。オーストラリアの大干ばつなど小麦の国際的な産地で生産量が大幅に減少しているというものです。さらにバイオエタノールが、地球温暖化の原因となっている温室効果ガスの抑制することで注目が高まっていることも影響しています。アメリカやブラジルなどの穀物の生産国で食料生産用の土地が転用されているため、品薄に一層拍車をかけています。

中国やインドなどでの食の需要の高まり

稲
米は手厚く保護されてきたことで、高い自給率を保っています。
もう1つの大きな要因が、中国やインドなどの人口が多い国で、食料需要の急増していることです。天候不順などがあるものの、世界的には小麦、トウモロコシなど穀物類は増加傾向にあるといわれます。それが追いつかないくらいに、需要が高まっているのです。

これまでの日本は、生産量の減少などで緊急に食料が必要になったときでさえ、工業製品の輸出で得た強い円を武器に、世界中から食料を集めてくることができました。

たとえば1993年、記録的な冷夏によって起きた平成の米騒動。100年に1回といわれる凶作で、国内の米の収穫量が落ち込んだときも、タイなどから緊急に米を輸入することでなんとか乗り切りました。それができたのも、日本が“お金持ち”だったから。そして、日本ほど食料を輸入する国が他にはなかったからです。

米はどの国も自給率の高い穀物で、国際市場はそれほど大きくありません。輸出用の在庫を多く抱えている国は少ないのです。なのに、日本が大量に海外の米を買い付けてしまったため、国際市場は大混乱しました。でも思い返すとそれを私たちは「タイ米はまずい」と嫌っていましたよね。罰当たりな話です。
次ページでは、お金があっても食料が買えない?お話を
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