人間関係

「致命的なひと言」でママ友グループの“悪者”に……40代女性がそれでも「ラクになれた理由」

ママ友付き合いが面倒だと感じていた40代女性。あるとき気の合う人ができ、ついうっかりママ友たちとの関係について愚痴ったら、翌日にはグループからハブられることに。だが、このできごとが結果的に彼女を救うことになる。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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ママ友グループとの関係性が悪化したらどうなる?

ママ友グループとの関係性が悪化したらどうなる?

最初は義務的な「ママ友」であっても、実際に仲よくなるケースもあるだろう。ただ、子どもが仲よしだからといってママ同士が親しくならなければいけないわけではない。「ママ友との付き合いは本当に難しかった」と過去を振り返る人も多い。

ママ友との付き合いが苦しい

「年子の子どもたちが小さいころは、本当にママ友との付き合いが面倒でした。私はもともと友達なんて多くなくていいというタイプだし、みんなでつるんで何かするのが苦手。だからママ友ともなかなかなじめなかった」

そう言うのはチフミさん(40歳)だ。今は8歳と7歳になった2人の子がいる。共働きだったチフミさんは5年前からほぼリモートで仕事をしているため、ママ友との付き合いも必要以上に「しなければならないと思い込んでいた」という。

「保育園のママ友、近所のママ友などいくつかグループができていて、今の場所に引っ越してきた6年前にすぐLINEの交換をさせられました。本当はもう少し人間関係を見極めてからにしたかったけど、半ば強制的に『ママ友グループには入っておいた方がいいわよ、情報が得られないから』と近所のママ友に言われて素直に入ってしまったんです」

夜間でも子どもを診てくれるクリニックや、評判のいい歯科などを教えてもらえたときは、確かにこういう情報は重要だと感謝した。だが、それ以外にも、「どうでもいいような雑談」の場であることがチフミさんを苦しめた。

子どもは子ども、私は私

「家にいるとはいえ、私は仕事をしている。でもなかなか分かってもらえなくて。家にいるなら少しくらいおしゃべりできるでしょとか、新型コロナウイルスがおさまりつつあったころにはどこかの家でお茶しているから来ないかとか……。風邪気味だから、義母が来るからなど適当な理由をつけて、あまり他の家には行きませんでした。今度引っ越してきた人は気難しいといううわさがたったこともあるようです」

子どもたちが保育園に行くようになると、今度は保育園ママとの関係ができた。こちらは比較的あっさりしてはいたが、それでもチフミさんのようにリモートで仕事をしている人の中には、自分が休憩をとっている時間帯だからとLINEでおしゃべり仲間を募る人も。無視するといろいろ言われるので「今は仕事だから無理」と返すと、「どうせリモートだからいいじゃない」と言われたりもする。

「リモートでも成果が求められる仕事なので、けっこうこっちは必死に仕事をしているんです。仕事への取り組み方も時間の使い方も人それぞれ。相手を自分のペースで動かそうとしてくる人には警戒心を抱きますね」

子ども同士が仲よくしているからといって、親同士も仲よくしなければならないわけではない。チフミさんはそう思っていた。

親しい人ができて

そんな中、保育園ママグループに気の合う人ができた。ナオさんという2歳年下の女性で、子どもの年齢は違っていたが、お迎え時に顔を合わせることが多く、立ち話をしているうちに親しくなっていった。

「彼女とは、グループとは別に1対1でLINEすることが多くなりました。いつか子連れでこんなところに一緒に行きたいねなどという話から、夫や義両親への愚痴まで、けっこういろいろ互いに心のうちを見せ合っていたんです」

保育園ママグループと近所のママ友グループ、チフミさんもナオさんも両方に入っていた。たまたまチフミさんが近所のママ友グループから、「あなたは付き合いが悪い」と言われたことがあり、ついナオさんに愚痴った。

「仕方ないわよね、仕事の都合もあるし。それにママ友の付き合い全部に参加していたら、いくら時間があっても足りないとナオさんも言ってくれた。それでついうっかり、『私はもともとママ友なんていらないと思ってる。ナオさんみたいに個人的に気が合う人は出会えてよかったと思うけど』と書いてしまったんですよ。それは本音だし、ナオさんになら言っても大丈夫だと思ったから言ったんだけど……」

翌日には「ママ友なんていらない」という言葉だけが一人歩きし、チフミさんはいきなりママ友グループの「悪者」になっていた。当然、ナオさんから漏れたのだろう。

開き直ったらラクになった

「私は他の人には言っていませんから、ナオさんが流したんでしょう。でも彼女はしれっと『ひどいこと言う人がいるわね』って。あなた以外いないけどってピシャッと言ってそれっきり。保育園ママたちにもそのうわさは飛び火したんでしょう、子どもたちが小学校に入るまで、ほとんどハブられていました。何だかなとは思ったけど、開き直ってしまえばかえってラクにもなりましたね」

子どもたちが小学校に入ってからも、チフミさんは「ママ友はいらないんでしょ」と嫌みを言われたことがあった。だが、そんな声には耳を貸さないようにしながら、保護者会の役員は引き受けた。淡々と役目をこなし、会議は議題をあらかじめ決めて短く終わらせようと提唱したことで、チフミさんを支持してくれる保護者も多くなった。

「友達という名の下にベタベタした関係が作られていくのが嫌なんです。一時期はママ友を作って仲間に入らないと子どもにも影響があると思い込んでいたけど、別にママ友がいなくても何とかなる。大事なのは自分の家庭と子どもであって、ママ友を作ることが第一義じゃないと思っていました。もちろん友達ができればそれに越したことはないけど、無理してもいいことはないと思います」

期せずして「ママ友はいらない」の一言がうわさになったことで、チフミさんはかえって解き放たれたのかもしれない。
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