使命感を持って社会の課題に立ち向かう社会起業家
エイズ予防のためにザ・ボディショップで発売されているコンドーム。人や環境に優しい商品を提供し、社会システムを変えようとしている創始者アニタ・ロディック氏は代表的な社会起業家。 |
でも、公的な機関には頼らず、自らの手で解決すべく、新しい仕組みを生み出そうとしている人たちが社会起業家です。その仕組みも従来にないような斬新なアイディアで、かつ事業として成立することが社会起業家には欠かせない要素とされています。
しかも、単に収入を得ることだけを目的として事業を興すのではなく、使命感を持って課題に取り組んでいるのも大切なポイント。社会の課題を自らの手で解決することが、社会起業家にとっての自己実現でもあるともいえますね。また、一時的な救済措置ではなく、根本的に社会システムを変え、「よい社会」作ることを目指しているのが社会起業家です。
NPOのような企業をめざす
社会起業家に関してのよくある疑問に「それって、NPOのボランティア活動とは違うの?」
「一般企業のCSR(社会貢献活動)とも違うの?」
というものがあります。その答えは「違う」です。
多くのNPOは財政基盤が不安定なことが、ネックとなっています。でも、社会起業家は、課題への取り組みをビジネスとして行うという位置付けで、社会的に意義のある商品やサービスを提供しています。また、社会的な意義が最優先されることで、一般企業が通常の経済活動の傍ら行うCSRともあきらかに違います。
団体の形も、NPO法人の場合と会社組織の場合とがあり、大きく分けると、こんな感じです。
社会の課題解決をめざした企業
事業として自立することをめざしたNPO
一般企業との差を明確にするために、社会的企業ともよばれます。
どちらも目標は「よい社会を作ること」。なので、強いていえば、“NPOのようなビジネスをめざす人たち”“NPOでありながらビジネス的成果をめざす人たち”ということになりましょう。
具体的に社会起業家として活躍する人にはどんな人がいるのでしょうか? 世界で活躍する社会起業家を次ページでご紹介します。