全てのモノに置き場所を決めることが大事
――山﨑さんのお宅のリビングには、余計なものが一切外に出ていませんが……なぜ、このようにきれいに片付いた状態を保つことができるのでしょうか。山﨑さん:それは、全てのモノに置き場所を決めているからです。出したモノが元の場所に戻れば、散らかることはないのです。

公式YouTubeチャンネル『All About マネー』に出演し、心地よく暮らすための工夫について語る家事アドバイザーの山﨑美津江さん

「使ったらしまう」が徹底された山﨑家のリビング
置き場所を決める3つのポイント
――使ったモノをどこに戻すか、夫婦で決めることが大事なのですね。では実際、置き場所はどのように決めているのでしょうか?山﨑さん:置き場所の決め方は、「取り出しやすい・使いやすい・しまいやすい」を意識しています。特に、「取り出すこと」と「しまうこと」がスムーズにできるよう心がけていますね。
例えば、片付けをする際、大きなものから整理しようとする人が多いかもしれませんが、私は小さなものから順に置き場所を決めていきます。そうすると、一目で何がどこにあるのかが分かり、スッキリと収納できます。
キッチンの4段式の引き出しで例えると、1段目には毎日使うものを収納しています。輪ゴムや楊枝など、使用頻度の高いものは奥ではなく手前に置くことで、すぐに取り出せるようにしています。

使い勝手よく整理されたキッチンの引出し

ラベリングされた冷蔵庫は、どこに何があるかが一目瞭然
お互いがそれぞれの時間を過ごす場所も必要
――老後になると、夫婦ともに家で過ごす時間が一気に増えますよね。お互いが心地よく暮らすために、心がけていることや意識していることはありますか?山﨑さん: 現役時代は、朝に家を出たら夜まで帰らなかった人が、定年退職後は一日中家にいるわけです。ずっと一緒にいるというのは……正直、なかなか大変ですよね(笑)。そこで、限られたスペースの中でも、夫婦がそれぞれ快適に過ごせる場所を作ることにしました。
日中、お互いが家で過ごすときは、私は自分の部屋、夫はリビングの窓際が“定位置”になっています。食事のときにリビングで顔を合わせるくらいで、ほとんど別々に過ごす日もあります。

自室で仕事をする山﨑さん
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教えてくれたのは……山﨑 美津江さん
家事アドバイザー。1948年東京生まれ。長女出産後、「友の会」に入会し、整理収納や掃除の技術を磨く。NHK「あさイチ」などで「スーパー主婦」として活躍。自宅を公開しての家事アドバイスも行う。家計簿歴は約45年。著書に『再出発整理――心地よい居場所とお金のつくり方――』(婦人之友社)など。