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Q. 「熱いお茶やコーヒーでがんになる」って本当ですか?

【医師が解説】「熱い飲み物を飲むとがんになる」というのは本当でしょうか? 研究報告をもとに、分かりやすく解説します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

Q. 「熱いお茶やコーヒーでがんになる」って本当ですか?

熱いお茶

熱い飲み物は体に悪い?


Q. 「毎朝、お湯を沸かして、熱々のお茶やコーヒーを飲んでいます。温かい物を飲むと体の芯から温まるので、健康にもいいと思っていたのですが、最近『熱い飲み物を飲みすぎると、がんになる』と聞いて不安です。実際にリスクは上がるのでしょうか?」
 

A. 熱すぎる飲み物は「食道がん」の推定原因の一つです。温度はほどほどに

体を冷やさないように、温かい飲み物を飲んでいる人は多いようですが、あまりに熱い飲み物は健康のために逆効果です。

国際がん研究機関(IARC)によると、「非常に高い温度で摂取される飲み物」は、食道がんの推定原因に分類されています。以前、「コーヒーとマテ茶には発がん性がある」と考えられていた時期がありましたが、実はこれらの飲み物自体に問題はなく、「65度以上の熱さで飲むこと」が問題だったようです。

他の研究でも、中国、イラン、トルコ、南米などの、70度ほどの熱いお茶を飲む習慣がある地域ではがんのリスクが高く、熱い飲み物でも60度以下で飲むことが多いヨーロッパや北米では、がんのリスクが低いといった報告もあります。

もちろん、食道がんの危険因子は熱い飲み物だけではありません。アルコールなどの刺激物や喫煙、胃食道逆流症なども、食道がんとの関係が報告されています。

温かい飲み物がおいしい季節ですが、熱さもほどほどが大切です。上手に健康管理をしていきましょう。

さらに詳しく知りたい方は、「温かい飲み物は体にいい? 熱すぎるとがんの危険因子に」をあわせてご覧ください。
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