2008年度の幼稚園受験、小学校受験はもうピークを過ぎようとしている。そろそろ来年度以降に受験を控えている読者も増えてくる頃だろう。お受験というと、まず「お教室」や「塾」探しの話題ばかりだが、その前に家庭内で心得て欲しいことを書いてみたい。

私が自分の子どもに「ゴミは道に捨ててはいけない」「歩きながら食べものを食べてはいけない」「電車の扉の前は空けなさい」などと公共マナーについて諭すのは、同じことを私自身が子どもの頃に親に口を酸っぱくして言われていたからだと今になって気づく。

心理学で言うところの「クリティカル・ペアレント=社会的な理想や規範を守る心」が形成されているのだが、このように子育ては世代を経て繰り返すものだ。したがって、だらしない子どもが増えるということは、同じようにだらしなく育てられた人が、どんどん親になっているということだ。

増える困った保護者と子ども

モンスター・ペアレント
困った親が増えている
私立の小学校でもモンスター・ペアレントと呼ばれる困った保護者が現れている。例えば次のような親だ。
・校長などに自分勝手な要求や文句を言ってくる
・授業参観でビデオや写真を撮影する
・授業参観の教室で母親同士で私語を交わす
・授業参観中や保護者会で携帯電話の着信音を鳴らす
・自分の子どもの宿題の内容にまで文句をつけたり、自分の子どもだけ免除してくれと言ってくる
一方子どもの方もかつてとは違った子どもが増えてている。これは多くの幼児教育関係者や学校関係者から聞く話だ。
・無表情
・覇気がない
・あきらめが早い
・すぐキレる
これらは必ずしも知的能力と一致しない。大人であれば教養の高い人は、社会性も高いのが一般的だが、子どもの知的能力は訓練で伸びるため、アンバランスな発育をしていることがあるからだ。

そこで小学校入試では、ペーパー重視から行動観察重視にして、子どもの育った環境を見るようになってきている。

幼稚園受験、小学校受験というと、すぐに受験テクニックの話になるが、「親の受験」という側面が重視されている昨今では、親子で生活のあり方をチェックし、必要なら改善しなくてはならない。

どんな子どもを学校は採りたいのか

どんな子育てをすれば、行動観察にも対応できるだろうか。まずは子どもの人間力を高めることを主眼におく。ペーパーや巧緻性の訓練ばかりではいけない。どんな子どもを学校が欲しがっているのかを知ろう。それは次のような点を備えた子どもだ。
・思いやりがある
・TPO(情況)をわきまえている
・がまん強い
・粘り強さがある
・切り換えの早さがあり、くよくよしない
・融通が利く
・社交性がある
・素直(陰日向がないこと)
これらすべてを備えていたら文句なしで素晴らしいが、少なくともいくつかを同時に備えている子が選ばれる。

次ページではどうしたら学校が欲しいと思うような子に育てられるか考えてみたい