公立中高一貫校を目指す勉強法は?
基礎・基本の学力をまず鍛える |
難問奇問はもとより、私立中入試の中でも学習指導要領を超える範囲は学習の必要はない。基礎的な知識とその応用力=リテラシーを養いたい。
したがって入試問題解法のテクニックやパターン学習はあまり意味をなさない。むしろ基礎・基本の学力をまず鍛えることから始めた方がいいだろう。低学年の内から「漢字の読み書き」と「計算」だけは家庭学習で学年相当は確実にできるようにしておきたい。ここでいう「できる」の意味は、計算ではスピード、漢字では音訓読み・熟語も含めた書き取りができるレベルのことだ。
前述のように、ほとんどの学校で作文課題がある。普段から作文に慣れておくとよい。6年生から入試までの間でも日記をつけてはどうだろうか。独り善がりにならないためには、例えば親子・家族で交換ノートをするという方法も考えられる。
最初の内は子どもの文章に直しなど入れず、感想や発展系の質問をしたりして、書くことに慣れさせる。書くことに抵抗がなくなったら、「お題」を出して、それについて自分の考えをまとめて書くなど発展していけばいいだろう。
あるいは、各種検定試験を利用する手もある。例えば日本語文章能力検定6級、作文/小論文検定9級、日本語作文小論文検定試験6級などだ。
算数分野の対策としては私立中学の入試問題の中から指導要領にもある分野の典型問題と、他のいろいろな問題に触れて解法や考え方に慣れることが重要だ。そして「規則性」「条件整理」「植木算」「場合の数」などをしっかりと学習し、「パズル」にも親しんでおきたい。
理社分野についても基本的知識(中学受験のレベルではなく公立小学校のレベルで)をしっかり身につけるのが大前提。その上で地図やグラフ、図表の読み取りができるようにする。
地球温暖化やゴミ問題など身近な社会問題に対する意識も必要。こどもニュースを見たり、子ども新聞を購読してはどうか。またテレビのニュースについて親子で話し合ってみるのも有効だろう。
適性検査を知るために一度過去問を親子で見て欲しい。公立中高一貫校が要求する学力のイメージがつかめる。私立中学受験のように6年生で週4日も塾に通う必要はないだろう。学校の勉強プラスアルファで準備ができるはずだ。
「公立中高一貫校適性検査問題集―全国版」も市販されているし、進研ゼミによる通信教育に対応コースもある。家庭学習で中学受験ができるなら費用的にも割安で済む。人気校は10倍~25倍の倍率だから、適性検査をパスするのは難しいかも知れない。しかし、そのための準備は高校受験できっと生きるはず。これまで受験に縁がないと考えていた家庭も、一度検討してみてはいかがだろうか。
「公立中高一貫校の適性検査はどんな問題が出るの」→前ページ
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