最近感じていることは、良い評判が立つと、その学校にダーッと志願者が殺到する傾向が見られることだ。皆と同じ志望校を選択するということは、受験倍率が上がることであり、合格を難しくする。さらには、入学後に校風が合っていなかったと苦労する子どもがいる。お子さんにあった志望校選択をもう一度考えていただきたい。
志望校は多面的に見る
では、そのためにどうしたらよいのか。それは多面的な見方をするということである。とかく難易度すなわち偏差値で学校を選んでしまいがち。しかし、その他にも学校選択の要素がある。下の表を見てもらいたい。
わが家の学校比較表(例)
ポイント/学校 | A中学 | B中学
偏差値 | 65 | 59
進学実績 | ★★★★ | ★★★
受験指導 | なし | 対応カリキュラムあり
伝統 | ★★★★ | ★★
校舎・施設 | 校舎は古いが設備は普通 | 新校舎で最新の設備
環境 | 狭く緑が少ない | 広く自然に恵まれている
通学 | 45分 | 65分
修学旅行 | なし | オーストラリア
クラブ活動 | 熱心な生徒だけ | 多数有り活発に活動
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「難易度が高く進学実績も良いが、特別な大学受験指導はなく修学旅行を実施しないA中学」と、「A中学よりは難易度が低く進学実績はA中学には及ばないが、新校舎で環境・設備が良く大学受験指導もしっかりして、海外への修学旅行があるB中学」のどちらがいいだろうか。
難易度や進学実績だけならA中学が選ばれやすいが、このように比較するとB中学も捨てがたいと思える。多面的な見方にはこのような効用がある。同じように第2志望、第3志望校まで見ていくと、思いがけない学校が浮かび上がってくるかも知れない。
週刊誌の大学合格実績特集だけを眺めていては気づかないポイントを確かめて、比較できるようにするのが学校説明会だ。ガイドブックでは分からない実際の雰囲気を感じ、その家庭なりの比較表を作り志望校を検討していただきたい。
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