首都圏の中学入試状況を、首都圏模試センターおよび四谷大塚の入試情報センターで公開している資料を基に検討してみよう。

昨年よりも安全志向傾向に

教室
2007年首都圏中学入試の出願は安全志向?
四谷大塚の最終合不合テストにおける志願者の偏差値分布を見ると、次のようなことがわかる。

■男子
分布としては昨年に近いが、志願者数の増加を受け全体的に増加しているのが見てとれる。最も志望者が多い志望校の偏差値ゾーンは60以上65未満で昨年と同じだが、55以上60未満のゾーンもかなり増えている。65以上70未満が倍増しており、第一志望については強気も見られる。また45以上50未満のゾーンも増加が見られる。

■女子
男子に比べると分布の形が異なっている。55以上60未満のゾーンが約35%増加し、50以上55未満のゾーンも6%の増加。50~60のゾーンが厚みを増している。65以上70未満は男子同様2倍近い。

■入試までの変動
男女共に1月入試の状況も考えて、まだまだ実際の入試では変動があるだろう。特に65以上のゾーン志願者がより安全策を取ってくるのではないかと思われる。というのは、この合不合テストでも、最終回(第4回)とその前の回(第3回)で第2志望以下の学校を変更した生徒は、第2志望で4割近く、第3志望以下では5割前後に上るからだ。第1志望校の見直しは一番最後になるはず。

1月入試の出願状況でもこれは裏づけられる。以下に取り上げるのは既に入試が行われたものも含め、締め切り後の出願状況だ(受験倍率ではない)。

たとえば次の表を見て欲しい。
学校名男女別入試日2007応募者2006応募者増減(%)
市川1/2024122481-2.8
市川1/2012221214+0.7
渋谷幕張男女1/2225052513-3.2
栄光2/2826787+5.0
フェリス2/1462496-6.9

難関校では昨年並みか、若干応募倍率が低下している。これは事前に激戦が報じられたために安全策をとった受験生が多かったことを示しているのではないか。では、その分入試が楽になったのだろうか。いや、決してそんなことはない。難関校は受験生が粒ぞろい。僅かな差で合否が決まるのだから。

さてその他の1月入試校はどうだろう。
学校名男女別入試日2007応募者2006応募者増減(%)
栄東 東大選抜1/10512508+ 0.8
栄東 東大選抜1/10187216- 13.4
埼玉栄4科1/10512319+ 60.5
埼玉栄4科1/10486242+100.8
西武文理1/108971036- 13.4
西武文理1/10694889- 21.9
大宮開成4科1/10398446- 10.8
大宮開成4科1/10316346- 8.7
栄東 A4科1/11988945+ 4.6
栄東 A4科1/11566711- 20.4
開智 特待1/11485451+ 7.5
開智 特待1/11222145+ 53.1
浦和実業4科1/13524359+ 46.0
浦和実業4科1/13457324+ 41.0
東邦大東邦1/2124651432+ 72.1
東邦大東邦1/21806916- 12.0
昭和秀英1/22761604+ 26.0
昭和秀英1/22653606+ 7.8

出願が減っている入試もあるが(募集人員の変更等の影響もあり)、増えている入試ではその増え方が半端ではないことがわかるだろう。今年の入試では全般的な傾向として、最難関校は例年とあまり変わらない応募者数となり、中堅から難関校まで幅広い受験者が集まり、激戦になるのではないかと思われる。

最新情報をチェックして作戦に役立てよう。例えば

・ダブル出願校を追加する
・ダブル出願済みの学校の受験校を決める
・後半日程の追加出願をする
・出願済みだが受験を見送る(自信喪失を防ぐ)
・併願作戦の正しさを確認する

などである。ただ、情報に振り回されすぎるのもよくない。受験生が増えても、ライバルとなる実力の生徒が増えるとは限らない。

難易度にメリハリをつけた併願作戦をとっていれば、決めたとおり堂々と目の前の1校ずつ受験していってもらいたい。

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