文科省は2005年になって「ゆとり教育」路線の転換を明らかにした。そのきっかけとなったのは、OECDによる学習到達度調査「PISA2003」である。しかし、ほとんどの報道は「順位という結果」についての報道のみで、PISAの調査内容について詳しく触れたものはない。おそらくテレビ・新聞の記者も調査に使われた問題を知らないのではないだろうか。

PISA調査で観点の一つは基礎学力とその習熟度を調べるもの。もう一つは教育によって身につけた学力を、どう日常生活に生かすかという能力=リテラシーを調査するものだ。この観点によって問題が作成されている。どちらも15歳という年齢を対象としている。では実際の問題を見てみよう。
(注)原文は英語で書かれており、ガイドの訳に誤りが合った場合はご容赦願いたい。また一部原文と数値を変えてある。

PISAの問題 数学編1

■大工さん問題
大工さんが囲いを作る材料40m分で作ることができる形かどうかをA~Dについて(はい・いいえ)で答えなさい。
選択肢A
 
答え…はい(横は横、縦は縦で集めれば10m×4)

選択肢B
 

答え…いいえ(図より平行四辺形の斜辺の長さは10mより長いから)

選択肢C
 

答え…はい(Aと同じく集めれば10m×4)

選択肢D
 

答え…はい(正方形の周囲の長さは10m×4)
15歳は日本では中3に相当する。中3生にとっては簡単な問題だ。

■階段問題
図のような14段の階段で、1段分の高さが何cmになるか答えなさい。
階段問題
 

答え…植木算のように-1するような引っかけもなく、簡単な割り算なので日本の中学生はできて当然。252cm÷14=18cm。奥行き(図の右方向)400cmを14で割っても割り切れず、こちらの間違いはしないだろう。奥行きを14の倍数にすると、正解率が下がるかも知れない。

■サイコロ問題
サイコロの展開図4種類について「向かい合った面の数の和が7となる」かどうか(はい・いいえ)で答えなさい。
サイコロ問題
 

答え…I,IVがいいえ、II,IIIがはい。向かい合った面がどこになるか、頭の中で立体を思い浮かべることが苦手だと、間違えてしまう可能性がある。とはいえ中3ならできて欲しい問題だ。

ここまでの結果を見ると、日本はフィンランド、香港に次いで3位の成績であり、決して悪くはない。

このあとは難易度がUPする「ウォーキング問題」と「成長問題」