「わかる」と「できる」は違う
問題の解説を見てわかってもできるとは限らない |
「どうやら授業を聞いて内容は理解しているようだ……。だが問題を解いて答え合わせをすると違っている。解説を読むと『ああ、そうだった』と間違ったポイントも理解しているみたいだ。これなら大丈夫かと安心していると確認テストでまた間違ってしまう。その結果、思ったような点数が取れない……」
どうしてこんなことになるのだろうか。
ずばり「わかる」と「できる」は違うのだ。わからない問題が出てきたとき、子どもがどのような思考順路をたどるか考えてみよう。
■step1
多くの子どもの場合、解き方を知らなければ「あ、これ習ってない」と白旗をあげる。
■step2
次にテキストの例題を見て、あるいは解答を見て、まねして解く。
■step3
答え合わせをする。
■step4
「良かった、合ってる」と安心する。
このようなことになると思う。どこに問題点があるのだろうか。それはstep2だ。解き方を知らない、忘れてしまった問題なのだから解法をまねすることは構わない。
しかし、そこで形式をまねしただけでは「わかった」ことにならない。例えば社会の知識問題な解答に「織田信長」とあれば、「そうか信長か」と思うだけ。覚えたかどうかの確認はしていない。算数であれば、例題に数字を置き換えて計算し直すだけ、自分で式が立てられるかどうかやってみていない。
特に算数ではこの落とし穴にはまりやすい(模範解答を写したとしても)。式が書けて計算の結果が正しいと、「できた」気になってしまうのだ。
本当は、その日の学習範囲が終わった後で、できなかった問題にもう一度テキストや解答を見ずにチャレンジして解けて、わかったことになるだろう。短期記憶で覚えている内に、それを再現できるのがまずファーストステップなのだ。
難関校合格者の話を聞くと、多くの受験生が「間違った問題・できなかった問題の復習」を専用ノートやファイルにまとめ、取り組んでいたと話している。解けなかった問題が解けるようになることで、確実に得点力をアップさせて合格に結びつけたということだ。
「パターン」から「発見」へ
どの教科でも基本のパターン問題があり、受験勉強でも重点的に学習する。だがパターンだけに頼っていると、ひとひねりした問題でつまづくおそれがある。脱パターンの思考が必要だ。逆説的に聞こえるが、実はパターン学習には脱パターン問題にも対応できるようにする意味もあるのだ。パターンを身につけ同類問題が楽々解けるようになる内に、パターンの持つ意味を発見するということだ。例えば算数で機械的に面積図を描いて解いてたのが、その意味がわかるようになる。すると、これまでの枠を超えた問題に出会ってもその意味を考え解きほぐし、知っているパターンに持ってくることができるのだ。
このような応用力を身につけるためには、一定以上の問題練習量が必要だ。地道なことを苦手としがちな現代っ子にとって、似たような問題を繰り返すのはしんどいことではある。しかしそこを乗り越えないと上位校へチャレンジすることはできない。逆に言うと進学塾中位以下のクラスにいる生徒でも、基本問題の繰り返しを十分行うことで、上位クラスに上がるチャンスが十分にある。
間違いノートと基本パターン繰り返し学習で成績アップにチャレンジしてみよう。