ご承知の通り、男子トップ校と肩を並べる大学進学実績を誇る女子トップ校が桜蔭だ。私は度々都営三田線の水道橋駅を利用するので、桜蔭生をよく見かける。どの生徒もしまった顔つきで真面目さが表れている。服装の乱れを感じたこともない。才女ばかりが集まっている印象だ。

しかし、「女子だから算数が苦手」などとは言っていられない。今回取り上げるのは問題の最初に登場する計算問題だ。以前も同じ年の規則性を見つけて解く問題を取り上げた。それに比べたら計算問題なんてと思うかも知れない。しかしこれが手間のかかる計算なのだ。

問題および解説:桜蔭中学 2002年入試 算数 I(1)

出題された問題
逆算の繰り返しが必要な計算問題
問題を見た限りでは難しそうに感じないだろう。確かに分数と小数の四則混合計算だ。しかし□の数を求めるということから、実は中学で習う1元1次方程式の解法に相当する。

中学生であれば「移項」を利用して機械的に解くことができるが、相手は小学生である。移項と同じことではあるが「逆算」の考え方で解いていく。まずは中かっこ{}(上図の赤枠)で囲まれた部分と20/29の数の積が1であるから、{}は1÷20/29というように。
解き方第1ステップ
外側のかけ算を割り算に
ここで29/20という数を見て、後で29は約分や演算で消えるのではないかと気づくセンスがあると素晴らしい。

次は2つの数の和が分かっている時に、和から一方の数を引いて未知数(上図の赤枠)を求める逆算だ。)
解き方第2ステップ
外側のたし算をひき算に
この部分の引き算で先ほどの29/20は消え1/4というすっきりした数となり、計算が正しそうという安心感が湧く。ただし一部の学校では半端な数が最後まで残り、「どこかで計算間違いしたかも」と不安にさせる問題が出るので注意した方がよい。もっとも女子校ではそこまで意地悪な出題はまずない。

この後も同様に逆算を続ければよい。(0.7+□)と5/17の積が求められたから、5/17で割れば(0.7+□)が求まる。
解き方第3ステップ
再びかけ算をわり算に
最後にこれから0.7を引けば□が得られる。
解き方最終段階
たし算をひき算にして答えが求まる
やっていることは単純なのだが、トウモロコシの皮をむくように外側から順々とていねいにむかないと実(答)が出てこない。算数が苦手な子は途中で嫌気がさしてしまうかも知れない。

計算を嫌がらずあるていど機械的にこなす力も必要だ。計算量が増えてもめげずに取り組むパワーとスピードを身につけるようにしよう。
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