人間関係

「ああ面倒くさい」ママ友との会話。「定価で買うなんてバカみたい」と笑われた私に悪いうわさが(2ページ目)

常に一言多い、もしくは言葉のチョイスが失礼な人がいる。ママ友界隈では、善悪関係なしに些細な感情の行き違いがうわさ話になって広がる。「ムカついた」やり取りをSNSで愚痴る人もいて、愚痴られた当人にわざわざ知らせてくれる人もいる。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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そんなつもりじゃない一言が相手を傷つけた?

言葉のチョイスというものは、本当に難しい。自分が思ったように伝わらないことの方が多いのかもしれないと思うほどだ。シズカさん(40歳)も眉間にしわをよせながらこう言った。

「ママ友がコンコンと咳をしていたので、何の気なしに『気を付けてね。子どもたちもまだ学校あるし』と言ったら、『大丈夫よ。あなたの子にはうつさないから』って言われて。たまたまその日、うちの子が彼女の家に遊びに行っていたんですよ。慌てて『いや、そういうつもりじゃないから』と言ったけど、『それにね、私は風邪じゃないの。大人のぜんそくで苦しんでるの』と。

申し訳ないと、子どもを迎えに行った時に謝ったんですが、彼女は不快そうな表情を崩しませんでした。思いがけないところで人を傷つけるなと反省しています」

とはいえ、その程度のことは誰にでもあるはず。謝っているのに過剰反応するその彼女もちょっと神経質になっているのかもしれない。

「その後、彼女がSNSに『ママ友にこんなこと言われた』と、一部始終を少し盛って書いていたので、なんだか私はなおさらつらくなってしまって。そんなひどいことをしたつもりはなかったのに」

SNSで愚痴るママ友、その事実を報告してくる別のママ友

彼女がSNSに書いてたよと教えてくれたのもまた、ママ友だった。知りたくもなかったが、教えてくれた人には「ありがとう」と言わざるを得ない。そこでもまた、モヤモヤがたまっていく。自分がどんどん追い詰められている感覚は、心身にとってもよくないはずだ。

「ああ、面倒くさいというのが本音ですが、彼女たちの前で『ママ友との付き合いが面倒』とは言えない。姉に話したら『それって、あんたにも問題あるんじゃないの?』と言われてさらに落ち込むというオチです」

シズカさんは苦笑した。こういう小さなモヤモヤは、積もり積もって爆発しがちだ。だからといって正面切って抗議するわけにもいかない。どこかで、もう忘れる、考えないと決めてすっぱり気持ちを切り替えた方がいいのかもしれない。

「今年のことは忘れて、年が変わったらもう考えない。そう決めました」

そう言ってシズカさんは、ようやく表情をゆるめた。
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