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空港にある出発の案内ボードは逐一チェックしたい
<目次>
国内線で欠航、大幅遅延が起こる主なケース
- 台風、大雪、濃霧、強風など悪天候
- 線状降水帯/ゲリラ雷雨
- 地震や津波などの災害
- 滑走路閉鎖、システムエラーなど空港でのトラブル
- 機材整備、使用機材の到着遅れ
- 空港の利用制限時間に間に合わない
- バードストライク、急病人発生など
「天候」を理由とする欠航・大幅遅延の場合
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冬は大雪の影響で飛行機の運航が遅れたり欠航になったりする確率が上がる
そして出発前日などに該当便の欠航が発表されたり、運航予定の便でも「特別取り扱い」となったりします。特別取り扱いとは、どの運賃に関わらず、便の変更やキャンセルが手数料「無料」になること。安い運賃だと通常キャンセル不可や変更不可なのが、可能になるわけです。便の変更は基本「自社便」のみ。
この時点で、便の変更は「早い者勝ち」です。欠航の前後便にある空席は瞬く間になくなります。悪天候は数日前には分かるため、この特別取り扱いに備えてスケジュール変更を先に計画し、航空会社の発表があった瞬間に動きましょう。鉄道などの陸路がある場合も、その代替ルートにも振替客が殺到します。
なお、特別取り扱いの前にキャンセルや便の変更をすると、手数料がもろもろ「有料」なので注意してください。
「機材整備」を理由とする欠航・大幅遅延の場合
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沖縄・那覇空港は国内で離着陸が多い空港の1つ
天候などが理由の場合と異なり、この場合の欠航や便の変更は航空会社の都合であり、「自社便以外に他社便への変更も無料で可能」である点が大きな違いです。例えば、JAL便で予約していたとしてもANA便へ振替できます。航空券をキャンセルする場合、購入分が全額払い戻しです。
飛行機に鳥が衝突する「バードストライク」も、その後に整備士による機材点検が必要なため、自社都合での欠航や大幅遅延となります。さらに後続便にも影響が出て、便数が少ない地方空港だと翌日まで欠航することもあるので注意しましょう。
近年多い「ゲリラ雷雨」に遭った時どうする?
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大雨でも飛行機は通常運航だが、激しいゲリラ雷雨などは要注意
雷を伴う大雨の場合、空港の駐機場などで働く地上係員は野外から避難し、その間、出発や到着などの作業が中断されます。羽田空港の場合、日中は絶え間なく発着機があり、短時間でも作業が止まると後続便に大きく影響します。
ゲリラ雷雨が難しいのは、台風や大雪のように数日前でなく、数時間前に判明することが多いことです。急なスケジュール変更は困難で、運航再開を待つしかありません。自分の便の出発時間がかなり後でも欠航することも十分あり得ます。
空港の「門限」が理由で欠航や目的地変更も
「21時門限」がある伊丹空港の夜は到着便ラッシュ
この時間内に着陸または出発できないと、欠航したり、目的地変更(ダイバート)したりします。遅延やダイバートは出発前に予告されることが多く、便の振替が無料でできることも。夜に遅い到着または別の空港に着くと、その後の公共交通機関で帰宅できない恐れもあるため、特に伊丹や福岡などを最終便近くで利用する際は事前に気を付けておくに越したことありません。
ホテルやタクシー代は出る? 航空会社の補償は……
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欠航/大幅遅延の理由で手続きの内容が異なる。航空会社の指示に従うこと
ANAやJALといった大手航空会社(FSC)の場合、基本的にそれらの補償は出ると考えよいでしょう。翌日便になる場合はホテル、夜遅くて公共交通機関での移動が困難な場合は規定金額内のタクシー代など。ただ、台風や大雪などの天候理由だと、補償対象外です。空港で航空会社のスタッフがいれば、補償の有無をまず聞いてみてください。
一方、格安航空会社(LCC)の場合は、基本的に何も補償されません。これも含め、LCCについて次項で解説します。
格安航空会社(LCC)はサポート内容が異なる
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Peach(手前)などLCCはサポート体制がFSCと異なる
一方、同じく日本国内線も運航するジェットスター・ジャパンの場合、欠航時にJAL便へ振替、夜遅い場合のタクシー代などが出る場合も。ただ、あくまでケースバイケースなので、空港で航空会社のスタッフに必ずご確認ください。
飛行機の「空席待ち」はステイタスのランク順
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空港のカウンターはトラブルが起きると長い列ができる
いくら早くキャンセル待ちの手続きをしても、あとから来た上級会員に順番を抜かれるのは致し方ありません。欠航/大幅遅延が多発した時ほど、上級会員が優位で、ステイタスがないと空席待ちしても乗るのは厳しいでしょう。さらに、便数が少ない地方空港も、座席数自体が少ないので同じく厳しい状況です。
飛行機に適用される「国内旅行保険」もある
飛行機での欠航/大幅遅延に備え、自ら「国内旅行保険」に加入しておくのも手。例えば、飛行機が欠航した場合、購入した運賃の全額は払い戻しが受けられますが、その他のスケジュール変更に伴う宿泊費などは追加出費となることも。その宿泊費の分などの支払いが受けられるのが、国内旅行保険です。航空会社によって、航空券の購入時に同時に加入できる場合もあります。夏の台風やゲリラ雷雨、冬の大雪の時期などは、欠航が起きる場合も多いため、気になる場合は事前に調べるのをおすすめします。
欠航/大幅遅延に遭遇時やるべきことは?
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冬に雪が降るエリアの空港は欠航率が上がるので注意
そして、欠航が発表された瞬間から「動く」こと。航空券が「特別取り扱い」になると、メールも届きます。先述の通り、便の変更は「早い者勝ち」であり、代替ルートも瞬時に埋まります。今は空港まで足を運んで変更の手続きを取らずとも、WEB上で完結することも多いです。
機材整備などの急な欠航時も、とにかく早めに動いて対処すると同時に、FSCの場合は他社便への変更が可能なのも、覚えておくポイント。ホテル提供やタクシー代の支給などの有無も、その場で対応する航空会社のスタッフに聞いてみてください。
<参考>
ANA 運航状況のご案内(国内線)
JAL 運航状況のご案内(国内線)
スカイマーク 発着案内・運航状況
Peach 運航状況のご案内
ジェットスター 重要なお知らせ